コロナ5類移行から1カ月 学校給食、黙食続く 「日常」まだ 石巻地方
新型コロナウイルスの5類移行から8日で1カ月。学校現場や市民生活の自由度は高まったが、マスクの着用や給食時の机の配置など3年に及んだコロナ禍で習慣化、定着した行動もある。変化は緩やかで、かつての「日常」に戻るにはもう少し時間がかかりそうだ。
石巻市湊小(児童132人)は5類移行でマスク着脱を個人に委ね、感染対策として着用するのは屋内での校歌を含む全校斉唱や合唱時のみ。教室で放送を聞く形式だった月2回の朝会は、体育館に集まる形に戻した。4月は各自1メートル以上間隔を空けていたが、移行後にコロナ禍前と同じ間隔にした。
給食時の机の配列は黒板を向くスタイルが続き、食事中の会話は「黙食」傾向にあるようだ。同市蛇田小(児童733人)は移行前と同様に児童たちは前を向き、静かに食べているという。学校は「黙食が習慣になり、定着した」と話す。
東松島市鳴瀬桜華小(児童257人)も黒板を向く形。会話は大きな声を出さない程度で認めている。コロナ流行後に中断していた食後の歯磨きは8日に再開する予定だ。
女川町の女川小(児童214人)と女川中(生徒101人)が施設一体型小中一貫教育学校としてスタートした2020年8月は、既にコロナ禍にあった。町教委は「子どもたちは今の給食の形に慣れている。今後も今の席配置で続ける予定」と説明する。
<変化緩やか、マスクは自主判断>
市民生活でも行動や気持ちに変化が見られる。
石巻市大街道地区の大学生女性(21)は「マスクは基本的に付けなくなった。外す機会を増やし、最終的にマスクを付けない生活がしたい」と話す。「高校3年時は行事が制限され、満足のいく生活ができなかった。今まで楽しめなかった分をこれから楽しみたい」
同市蛇田の50代会社員男性は「マスク着用や手指消毒は続けている。変化は特にない」としながらも「やっと外に出られるようになった。夏には台湾、バンコクに旅行したい」と喜ぶ。「これまで何となく言いにくかった体調不良を表だって言いやすくなった」(東松島市矢本、20代大学生男性)という声もあった。
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