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オリーブギンザケ商品化へ 石巻専修大など報告 関係者ら試食「うまみ十分」

試食会ではギンザケのカルパッチョなどが提供された
オリーブギンザケの刺し身などを味わう出席者

 石巻専修大と石巻市は7日、市内で栽培したオリーブを餌に混ぜて育て、3月に初水揚げした「オリーブギンザケ」の事業報告会を同市千石町の石巻グランドホテルで開いた。水産、経済関係者ら約50人が成果や課題を共有し、試食して味を確かめた。同大などは来年度の商品化を視野に入れ、市内のオリーブ生産量から年間2万匹を上限に安定生産を目指す。

 同大理工学部の角田出教授が研究経過を説明。オリーブを混ぜた餌の効果について「魚のストレスが軽減され、病気にかかりにくくなった。身が締まり、色や香りも良く、爽やかな味になる」と強調した。

 商品化に向けては「『みやぎオリーブ銀鮭(ぎんざけ)』として商標登録も申請している。県のブランド魚に育てていきたい」と語った。

 試食会では、オリーブギンザケと通常の餌で育てたサーモンの両方を刺し身や焼き魚などとして提供。出席者は味や色、食感を比較しながら味わった。

 大興水産(石巻市魚町2丁目)の尾形勝常務は「脂がしつこくなく、臭みもない。うまみも十分で生食が1番だが、いろんな料理に合いそうだ」と話した。

 同大と市はオリーブギンザケを新たな地域の特産にしようと、2018年から大学の施設などで陸上養殖に取り組んできた。今年3月には雄勝地区の小島漁港で海面養殖を実施。オリーブの搾りかすなどを混ぜた餌を約1カ月与えて育てた。

 同大などは今後も研究を続ける。8月には東京で開かれるフードショーに出品し、全国のバイヤーにPRする予定。

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