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子ども目線の震災、漫画で伝承 東松島の全小中学校に冊子寄贈

寄贈された本を手にする、大川口校長(右奥)、大友図書委員長(前列右から2人目)ら

 東日本大震災の伝承活動を展開する石巻市の公益社団法人「3.11メモリアルネットワーク」と、仙台市の漫画家井上きみどりさんは、東松島市の全小中学校11校に、震災漫画「あの時、子どもだった私たちから伝えたいこと」を寄贈した。13日、鳴瀬未来中で寄贈式があり、メモリアルネットワークの中川政治専務理事から、図書委員長の大友莉子さん(14)らに手渡された。

 漫画はA5判モノクロ(一部カラー)の1冊約50~70ページの3冊1セットで、各校に1セットずつ贈られた。井上さんが震災当時、小学生や高校生だった6人に取材し、震災伝承交流施設「MEET門脇」(石巻市門脇町5丁目)で漫画動画として公開されていたものを、漫画冊子に構成し直し、今年3月に書籍化した。

 寄贈式には、震災発生から9日後に石巻市の倒壊した家屋から救出され、当時の体験が漫画に描かれた阿部任さん(28)もメモリアルネットワークのスタッフとして参加した。

 鳴瀬未来中は13日から3週間の図書祭りで、読書を呼びかける放送や、しおり作りワークショップなどを実施している。

 大友さんは「本を読んでみんなに伝えたい」と話した。大川口裕義校長は「伝承は大きな課題だが、震災で家族を亡くした生徒もいて、授業などでの一斉指導は難しい。漫画は落ち着いたところで一人で読めるのでとても良い」と感謝した。

 中川専務理事は「漫画は読みやすく、小学生でも分かりやすい内容になっている。震災の記憶がない世代にも伝われば」と語った。

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