霧の多発期、海難事故に注意 狭い航路、回避訴え 石巻海保など
東北の太平洋沿岸に霧が発生しやすい初夏を迎え、第2管区海上保安本部(塩釜市)は、霧を原因とした船舶の海難事故ゼロを目指し、啓発に力を入れている。近年は事故が増加傾向にあり、同本部は漁船などの船舶に警戒強化を呼びかけている。
霧海難防止活動として1日から8月15日まで展開する。初夏は霧が出やすく、視界不良による船舶の衝突や岩礁への乗り揚げなど海難事故の危険性が高くなる。同本部は船舶の運航者や代理店への周知活動に加え、航行する船に直接、霧の発生情報を提供している。
管内での霧海難は2015年以降、6年連続でゼロだったが、21年に衝突事故が1件あった。22年は青森県の八戸港沖で大型船同士の衝突が1件発生。岩手県沖では自船の位置を見失う「船位喪失」も2件あり、頻発している。
石巻海上保安署の菊地恭丞地域防災対策官によると、石巻地方では特に、牡鹿半島と田代島の間の通称「田代水道」、牡鹿半島と金華山の間の「金華山瀬戸」、早崎と二股島の間の「早崎水道」の3カ所が要注意箇所だという。
いずれも陸地間幅が狭く、霧の発生で視界が遮られると航行に危険が伴う。田代水道は養殖施設が広がっており、実際に船が通れる幅は、地図で見るよりさらに狭い。
菊地対策官は「霧情報が出ている中、狭いところを通るのは間違い」と語り、「安全な速力での航行、早めの避航動作など基本的事項をしっかり守って」と注意を促す。
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