ラウンドアバウト、まだ浸透不足?通行トラブル続発「1日2、3回はクラクション」 仙台・桜ヶ丘
仙台市青葉区桜ケ丘の環状交差点で「通行ルールを守らない車が多く、怖い思いをした」との声が市内の女性(56)から「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。取材を進めると、環状交差点は設置数が少ないため通行ルールが浸透しておらず、さまざまなトラブルも起きていることが分かった。
[環状交差点]信号機のない円形の交差点で一方通行の道路。「ラウンドアバウト」とも呼ばれる。車は左折で進入し、時計回り(右回り)に進む。進入時や交差点内では徐行が義務付けられている。信号機がないため、停電時の混乱も起きにくいとされる。
周回車が優先 宮城県警「徐行し互いに配慮して」
女性は週に1度、車で桜ケ丘の環状交差点を通過する。「円の中を走っている車が優先なのに、急に交差点内に進入する車が多い」と話す。
環状交差点は進入する場合、最初は必ず左折し、円を描くように通過する。交差点内を周回する車が優先されるが、交差点に進入する車は原則的に一時停止する必要はなく、徐行で構わないため、つい割り込んでくる車が多いという。女性は「衝突しそうになり、怖かった」と振り返る。
近くに住む70代男性は「1日2、3回はクラクションが聞こえる。ドライバー同士、もめる場合もある」と明かす。
環状交差点と形状が似ながらルールが違うロータリーの存在も、ドライバーを混乱させている可能性がある。環状交差点は周回車が優先される一方、ロータリーは進入車が優先される。別の住民は「ロータリーであれば周回車が一時停止しなければならず、トラブルは起きにくいと思う」と指摘する。
宮城県の環状交差点の設置数は3月末現在、28カ所と全国で最も多い。道交法改正で環状交差点が導入された2014年9月当時も、設置されていた8都府県34カ所のうち19カ所で最多だった。
宮城が突出して多い理由は不明だが、関係者によると、土地開発業者が住民の集合場所や目印などとして造成した可能性があるという。
全国最多の設置数を踏まえ、県警も事故やトラブルの防止に向けて免許更新時に教則を配布したり、チラシやポスターなどを通して通行ルールを啓発したりしてきた。県警によると、環状交差点は一定程度の事故の抑止効果が認められ、進入時の減速効果などで大事故も発生していない。
県警交通規制課の担当者は「環状交差点のメリットは大きい。交差点内では徐行して互いに配慮し、安全運転に努めてほしい。今後も通行ルールの啓発に力を入れたい」と話す。(庄子鉄平)
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みやぎ地域安全情報
宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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