自走ロボが買い物支援 トヨタ東日本、女川で実演 担い手不足の解決狙う
トヨタ自動車東日本(大衡村)は、人工知能(AI)や自動車製造の技術を生かして開発を進める自律走行ロボットのデモンストレーションを女川町で実施した。指定場所への配達や高齢者の買い物支援への活用を想定しており、人口減少や働き手の不足といった地域課題の解決につなげる。
ロボットは2台で、ボックス型の「cocomo(ココモ)」(長さ88センチ、幅57センチ、高さ65センチ)は衛星利用測位システム(GPS)センサーを搭載し、指定した目的地まで人や障害物を避けながら走る。開発中の「ES24」(長さ86.5センチ、幅56センチ、高さ76センチ)はレーザーセンサーとカメラで登録者を感知し、その後ろや脇を追従する。
デモ走行は21日に町内のテナント型商店街「シーパルピア女川」であり、町職員や商店街の関係者ら約30人が参加。ココモが商店街のカフェに向かい、コーヒーを積んで戻る様子と、ES24が登録者の後ろを自動で付いていく姿を披露した。
参加者は「お土産や重いものを持たなくていいのは楽だ」などと感想を話しながら体験。町観光協会の阿部こころさん(24)は「導入されれば観光に来た高齢者や地元の人の生活に役立ちそう」と話した。
東日本大震災後、町内では住宅の高台移転が進み、買い物をする中心部と宅地間の移動の不便さをどう解消するかが課題になっている。須田善明町長は「行動支援の技術が発達しているのを実感した。町民が抱えるさまざまな不便さや困り事を解決してくれるだろう」と期待した。
デモ走行はトヨタ東日本が2021年度、女川町と気仙沼市、南三陸町と設立した「東北モビリティ・コンソーシアム」の活動の一環で実施した。
同社の林田慎太郎領域長は「町民からの要望も取り入れ、地域の人が満足するものを作りたい」と語った。
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