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日本製紙クレシア、家庭紙の工場新設 N6跡地を活用 来年5月稼働目指す

立地協定を結んだ(左から)石川所長、安永社長、斎藤市長

 日本製紙クレシア(東京)が、石巻市南光町の日本製紙石巻工場敷地内に新工場を整備する。日本製紙グループによる成長分野への事業構造転換の一環で、トイレットペーパーといった家庭紙の製造販売を強化する。4月に着工済みで、2024年5月の稼働を目指す。30日に県、石巻市と立地協定を結んだ。

 埼玉県草加市などに続く同社5カ所目の製造拠点で、東北地方では初めて。石巻工場の最大製造設備で、印刷用紙の将来的な需要縮小を見込み、昨年5月に停止した「N6号抄紙機(N6マシン)」があった敷地を活用する。

 敷地面積は3万1087平方メートル。鉄筋コンクリート3階で、延べ床面積は3万54平方メートル。抄紙機1台やロール加工設備などを設置する。トイレットペーパーやキッチンペーパーなどを1日に約130トン生産できる。旧設備の撤去費用を含めた事業費は約150億円。従業員62人のうち、地元から21人を新規採用する。

 市役所で協定締結式があり、関係者が出席した。21年6月まで2年間、日本製紙石巻工場長を務めていた安永敦美社長は、東日本大震災で被災しその後復旧したN6マシンに触れ「工場復興の象徴だったN6マシンの停止は忸怩(じくじ)たる思いだった。新たに地域に貢献できる事業ができることをうれしく思う」と述べた。

 県東部地方振興事務所の石川佳洋所長は「富県宮城の躍進にも貢献されると期待している」と語り、斎藤正美市長は「早期操業に向けて県とも連携し最大限の支援をさせていただく」とあいさつした。

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