石巻税務署管内路線価 横ばい傾向変わらず 工業港曽波神通り、12年連続トップ
仙台国税局は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年分の路線価(※)を発表した。石巻税務署管内の最高路線価は石巻市恵み野2丁目「石巻工業港曽波神線通り」の6万3000円だった。トップは12年連続で、価額は4年連続で変わらなかった。管内は東日本大震災の復興需要収束後、横ばい傾向が続いている。
蛇田地区の曽波神線通りは近隣にショッピングモールや家電量販店、スーパーなどの商業施設が立地。津波被害のなかった内陸の商業地として震災後の12年に同署管内の最高地点になった。15年には上昇率が東北トップだったが、復興需要の落ち着きに伴い20年以降は横ばいが続く。
仙台国税局管内52税務署別の最高路線価の価額順位は14位で、前年と同じ。変動率も14位で前年から二つ下がった。
用途別主要標準値の評価基準額では、商業地が石巻市恵み野2丁目の6万3000円、住宅地は中里5丁目の4万3000円で、どちらも前年と変わらなかった。
市中心部ではJR石巻駅前の石巻停車場線が6万円、立町1丁目の旧石巻商工会議所前は4万6000円、中里3丁目の中里バイパスは5万1000円、大街道北3丁目の国道398号は3万8000円で、いずれも横ばいだった。
県内の標準宅地の平均変動率は4.4%で、11年連続で上昇した。県内10税務署別の最高路線価は仙台や塩釜、古川などの6地点がプラスに。横ばいは石巻を含め3地点、下落は気仙沼のみだった。
石巻の価額順位は仙台3署、塩釜に次ぎ5位だった。1位は仙台市青葉区中央1丁目「青葉通り」の347万円で、前年より2.4%上昇。上昇率の最高は同市太白区あすと長町1丁目の「あすと長町大通り」で、前年比15.6%上昇の37万円だった。
(※)路線価
主要道路に面した土地1平方メートル当たりの1月1日時点の評価額。今年の対象は全国約32万2000地点(標準宅地)。国土交通省が発表する公示地価をベースに、売買実例や不動産鑑定士の評価などを踏まえて算定し、同一地点では公示地価の8割程度の水準となる。
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