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学校はみんなの家族 縦割り班で異年齢交流 石巻・鹿又小「なかま活動」

黙々と階段を清掃する児童たち

 石巻市鹿又小(児童308人)は、「なかま活動」と題した縦割り班活動を展開し、子ども同士の豊かな人間関係や思いやりの気持ちを育てている。6年生が主に企画する月2回の遊びと、毎週水曜日の昼清掃だ。1年間を通じた異年齢の交流は自己有用感を高め、「学校はみんなの家族」といった意識も芽生えさせている。いじめや不登校の未然防止につながる絆づくりの活動として注目される。

 高学年と低学年混合の縦割り12班を構成し、高学年のリーダーシップの下、みんなで楽しめる遊びの活動を毎月第2、4水曜日に実施している。

 水曜日の昼清掃は廊下や階段、トイレ、図書室、教室を縦割り班ごとに担当場所に分かれて行う。本年度最初の活動となった6月7日は、6年生が1年生に教えながら互いに協力して手際よく進めた。

 児童の中には遊びの活動で仲間意識が養われ、登校時、他学年の子に「放課後、一緒に遊ぼう」と声をかけ、放課後に校庭で自由に遊ぶ姿も見られる。

 鹿又小はなかま活動を2018年から続ける。多様な人と関わる力を育み、人間関係づくりの素地を養う狙いがあり、教育的効果は大きい。

 浦山正幸校長は「6年生は頼りにされ感謝されることで自己有用感が高まり、思いやりの気持ちが育つ。下級生は年上を尊敬し憧れを持ち、何かあったら助けてくれる安心感を抱く」と説明する。

 同校で培った異年齢の絆づくり、人間関係づくりはその後の人生にも汎用(はんよう)できるという。浦山校長は「学校の中での子どものつながりは親になった時のつながり、地域でのつながりになる。学校はみんなの家族。その意識が育まれていくよう、なかま活動を続けていく」と語る。

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