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高校野球宮城大会・1回戦 石巻勢対決、ウェルネスに軍配

 第105回全国高校野球選手権宮城大会は9、10日、1回戦を県内3球場で実施した。石巻勢は10日に石巻西が加美農と対戦し4-3でサヨナラ勝ち、石巻商は南三陸に6-5で勝利した。

 9日は石巻工が9-6で宮城工を下し、石巻勢対決となった日本ウェルネス宮城-石巻は4-3でウェルネスが勝利した。

 石巻勢の次戦は11日午後2時から、石巻好文館と利府が仙台市民球場で戦う。

 2回戦は14日、日本ウェルネス宮城が古川学園と午前11時半から仙台市民球場、石巻工-東北が午前11時半、石巻商-聖和が午後2時、ともに石巻市民球場で、石巻西は仙台二と午後0時半から、鹿島台中央野球場で対戦する。

石巻西、サヨナラ勝ち

【加美農-石巻西】 延長10回タイブレーク、鈴木幹のスクイズで生還した桜井望

◆1回戦(仙台市民)
加美農 0001000200 -3
石巻西 2000010001x-4 (延長十回)
(加)鈴木-佐藤佑(西)遠藤-久保田
 ▽二塁打=大場2、鈴木(加)

【評】石巻西がサヨナラ勝ち。一回1死一、二塁から久保田の左適時打で2点先制。六回に雁部が右前適時打で追加点を上げた。3-3で迎えた延長十回タイブレークで、無死満塁から鈴木幹がスクイズを決めた。先発の遠藤は十回まで投げ切った。

<練習で走塁強化> 
 サヨナラの走者だった主将桜井望は「後ろの走者も早く、打者は犠打がうまい選手。思い切ってホームに突っ込むことができた」と振り返る。 
 練習では走塁や犠打でつなぐことを強化してきた。延長十回タイブレークで、仲間を信じて本塁に滑り込んだ。 
 初回に先制したが、八回同点に追い上げられた。全員でベンチを盛り上げ、最後まで諦めず、全員でつかみ取った勝利だった。 
 「接戦は予想していたが、もっとできることはあったはず。次戦に生かしたい」と意気込んだ。 

石巻商、逃げ切る

【南三陸―石巻商】 6回、右適時三塁打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズする主将の村上

◆1回戦(仙台市民)
南三陸 102000110-5
石巻商 30001110x-6
(南)西條、星海輝-柴田(商)梶原、千葉修-平塚
 ▽三塁打=伊勢(南)村上(商)▽二塁打=西城、柴田(南)佐々木、工藤(商)

【評】石巻商が1点差で逃げ切った。先制された一回、1死二塁で初球から打った工藤の左適時打で同点とし、計3得点で逆転した。3-3で迎えた五回に佐々木の内野安打で勝ち越し、六回には主将の村上が右適時三塁打を放って5点目を上げた。

<主将が勇気付け> 
 得点を取り合う試合展開の中、主将村上が内角の直球を右へ運び適時三塁打とし、仲間を勇気付けた。「先制され焦りを覚えたが、強い打球を、と打者に呼びかけ、いい気分で打席に入れるよう声をかけてきた」と話す。 
 正規部員の3年生は2人のみで、チームは2年生が主体。他の部活から4人助っ人を借りての出場だ。「後輩たちもうまく、頼る部分も多いが、3年生として引っ張っていきたい。2回戦はチャレンジャー精神を持ち、南三陸の分の思いも込めて戦いたい」と意気込んだ。 

石巻工が逆転、打ち勝つ

【宮城工-石巻工】 6回1死一、三塁、左中間への適時三塁打を放ち、両手を挙げて喜ぶ石巻工の佐々木輝

◆1回戦(9日、石巻市民)
宮城工 000303000-6
石巻工 00002502x-9
(宮)片岡、今野-渡辺(石)木村、佐々木涼、佐々木蒼-及川
 ▽三塁打=永松(宮)、遠藤大、佐々木輝(石)▽二塁打=渡辺(宮)、佐々木蒼(石)

【評】石巻工が逆転勝ち。2-6の六回無死満塁で佐々木蒼が右越え二塁打を放ち2点を返し、及川の右犠飛でさらに1点追加。1死一、三塁から佐々木輝の左中間三塁打で逆転した。投げては3人の継投でしのぎ、3番手佐々木蒼は3回を無失点に抑えた。

<打者一巡の猛攻> 
 石巻工は六回に打者一巡の猛攻で5得点。代打で逆転三塁打を放った佐々木輝主将は「苦しい展開でもベンチは諦めていなかった。仲間がつないでくれて勢いがあったので気負わず打てた」と振り返った。 
 起用されたのは5-6の1死一、三塁の場面。内角の変化球を左中間にはじき返し、2走者を生還させた。自身は公式戦初という代打での適時打に、利根川監督も「主将の意地を見せてくれた」とたたえた。 
 次戦は東北と戦う。佐々木主将は「次が正念場。しっかりとゲームに入りたい」と気を引き締めた。

ウェルネス、接戦制す

【石巻―日本ウェルネス宮城】 8回を1人で投げ抜いた石巻2年の主戦佐藤一

◆1回戦(9日、仙台市民)
石巻        020000010-3
日本ウェルネス宮城 00020011x-4
(石)佐藤一-千葉虎(ウ)佐々木、紀野国、新沼、佐藤、大内-笹村
 ▽本塁打=山本(ウ)▽三塁打=千葉虎(石)▽二塁打=武田(石)

【評】シーソーゲームの石巻勢対決を日本ウェルネス宮城が制した。3-3で迎えた八回、日本ウェルネスの山本が本塁打を放ち決勝点を挙げた。石巻は2年の主戦佐藤一が八回まで投げ抜いた。九回に敵失と四球で1死一、二塁と好機をつくったが、後続が倒れた。

<ウェルネス、本塁打で決着> 
 八回の先頭打者だった日本ウェルネス宮城の山本は、カウント3-1から内角低めに来た球を右方向に柵越えにした。「前の打席は左飛だったが、打った感覚は悪くなかった。塁に出る意識で振った」と語る。ホームランボールは、公式戦での本塁打を期待していた母に渡すという。次戦の古川学園との対戦に向けて、「主戦の直球が速いと聞いているので対策をしていきたい」と意気込んだ。

<石巻、9人が2年生> 
 2年生が主体の石巻は、主戦の佐藤一をはじめ、ベンチ入りしたメンバーのうち9人が2年生。石巻勢対決を、佐藤一は「ウェルネスは継投でつなぐと予測はしてきたが、打ち崩せなかった。上位打線は引っ張るので、低めを意識し真っすぐとカットボールを使い分けた」と振り返る。「大会で結果が出ず、勝ち切れない部分が自分たちの弱さ。秋までに修正したい」と前を向いた。

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