念願の実り 黒須さん、石巻・南浜でブルーベリー栽培 震災、コロナ経て出荷
石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園近くにある民有地で、ブルーベリーの栽培が本格化している。元建設業の黒須義寿さん(55)=石巻市貞山2丁目=が15年以上前に始め、東日本大震災や新型コロナウイルス禍といった困難を乗り越え、ようやく市内などに出荷できるまでになった。いずれは摘み取り体験もしてもらえるようにしたいと構想を描く。
公園西側に位置する南浜町4丁目の農園に、ポットに植えられたブルーベリーの木が品種ごとに並ぶ。広さは約1600平方メートルあり、スイートハートやブルークロップなど8品種を300本ほど栽培。20近くの品種を育てる中で石巻地方の気候に合う物を選び、無農薬で育ててきた。
黒須さんが栽培を始めたのは2006年。石巻の味として象徴的な魚以外にも、季節を感じられるような名物を作れないかと考えたことが始まりだった。
当初は隣接地で50本ほどを育て、独学で試行錯誤しながら栽培を続けた。栽培開始から約5年がたち初出荷を考えていた11年に震災が発生。周辺は津波で大きな被害を受けた。
自ら重機でがれきをよけて栽培を再開したが、今度は新たに購入した苗木がようやく成長した頃に新型コロナがまん延。手袋をして摘み取っていたものの流行直後は出荷を控え、昨年から市内の道の駅「上品の郷」で販売できるようになった。現在は上品の郷と東松島市の石巻青果花き地方卸売市場に出荷する。
農園は海の近くにあることから「SEA BERRY GARDEN ISHINOMAKI(シー ベリー ガーデン 石巻)」と名付けた。黒須さんは「今後は摘み取り体験もしてもらえるようにしたい。まずはこの場所でブルーベリーを作っていることを知ってほしい」と話す。希望があれば摘み取りや栽培方法の相談に応じる。連絡先は黒須さん090(8927)0797。
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