誰も取り残さぬ授業に 矢本東小、「協同的な学び」を重視 思いやる心育む
東松島市矢本東小(児童449人)は本年度、聴き合う、教え合うといった「協同的な学び」の視点を大切にした授業と学級づくりに力を入れている。学級で子どもが聴き合う関係性は思いやりの心を育み、誰一人取り残さない「助け合う授業」につながっている。
学校現場で学級経営と授業づくりは密接に関わる。市教委が推進する協同的な学びを授業に取り入れる矢本東小は、学級づくりでも聴き合う関係を重視する。
相沢進校長は「聴き合う関係性は、友達が困っていたら助けてあげる、相手を思いやる気持ちが育っていく」と語る。
互いを認め、尊重する共感的な人間関係が育まれている学級には安心できる居場所があり、学級の絆が生まれている。
協同的な学びは4人のグループや机の配置をコの字にした話し合いの中で、子どもが聴き合い、教え合い、学び合う双方向の授業。他者の発言を自分の考えと比較し、学びを深める。相手に教えることで理解が深まり、知識の定着を図る。
授業づくりについては、山形大大学院教育実践研究科の森田智幸准教授を講師に招き、6月上旬に職員研修を実施した。
協同的な学びは学びの意欲を高め、学力向上に貢献している。学校によると、4月に実施された本年度1回目の標準学力調査で、国語と算数の平均正答率は2~4年生が全国平均以上となった。2021年度以降、着実に数値が上昇しているという。
同校は本年度、交換授業を含む教科担任制を導入するなど複数の教員が指導に当たり「確かな学力・意欲的に学ぶ子」の育成に努めている。
相沢校長は「協同的な学びの視点を授業と学級経営に生かしていくことで、子どもの良さを伸ばし、成長を支えていく」と話す。
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