大雨警報 石巻市、土砂災害警戒で避難指示 9カ所に避難所開設、不安な一夜
前線や低気圧の影響により、石巻地方は19日午後から大雨に見舞われた。石巻市は土砂災害危険区域の住民に避難指示を出し、避難所を開設。午後7時には仙台管区気象台が市内に大雨警報を発表した。道路の冠水が相次ぎ、市民は不安な一夜を過ごした。
市は土砂災害の危険性が高まっているとして、19日午後4時に稲井、鹿妻、河南、桃生、網地島、田代島6地区の一部に避難指示を発令。午後6時には荻浜地区と牡鹿、湊両地区の一部も追加した。避難所は9カ所に開設。午後9時時点で20人が避難した。
19日午後6時過ぎに稲井公民館に身を寄せた新沼弘一さん(86)と妻の豊子さん(83)は、水やビスケットなどを持参し、スマートフォンで天候を確認しながら時間が過ぎるのを待った。
豊子さんは「秋田県の大雨が真っ先に頭をよぎった。自宅の後ろが山なので、土砂崩れがあってからでは遅いと考えて行動した」と不安そうに話した。
道路の冠水も相次ぎ、蛇田地区の蛇田中周辺や県石巻合同庁舎北側、山下地区のガード下などが一時通行止めとなった。
午後10時過ぎに大雨警報が注意報に切り替わり、市は一部地域で避難指示を解除。20日午前5時に全地区の避難指示を解き、避難所を閉鎖した。
JR東日本東北本部によると、19日午後6時以降、仙石東北ラインと石巻線、仙石線の一部区間などで終日運転を見合わせた。
気象台によると、19日の24時間降水量は石巻で74.5ミリ、雄勝が75.5ミリ。1時間当たりの最大降水量は石巻25.5ミリ、雄勝21.5ミリだった。
東松島市では県道矢本河南線のアンダーパスが冠水し、一時通行止めとなった。
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