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仙台市中体連が理不尽な入場制限 中3剣道部員が応援許されず 理由はコロナ対策ではなく…

 「中総体の会場に入場制限がかけられ、応援できない3年生がいた」。仙台市内にある中学校の剣道部員の父親(52)から、主催者の市中学校体育連盟(中体連)に対する憤りの声が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。新型コロナウイルス対策かと思いきや、コロナ前から懸案の安全対策と判明。当日は出入り口での確認がずさんで、市中体連の指示に従った生徒が泣きを見たという。

観客席の上部にある通路で鈴なりの保護者ら。階下の柔道会場から見に来た生徒もいた=6月10日、仙台市太白区の宮城県武道館(保護者提供)

中体連は満席状態避ける狙い 父親が掛け合うも入場認められず

 市中学校総合体育大会の剣道競技は6月10日、366席の観客席を備える宮城県武道館(太白区)の剣道場で開かれた。

 父親は母親(43)と共に3年間、次男(15)ら3年生の男子部員10人を試合会場に車で送迎するなどしてサポート。顧問の教諭から「今年はコロナでの入場制限はない」と聞いていたが、本番が近づいた5日、顧問から「入場制限の連絡が来た」と告げられた。

 生徒は先鋒(せんぽう)から大将までの選手5人と補欠3人の計8人、保護者が計10人と上限が設けられ、保護者は校名入りのシールを胸に貼るよう指示された。

 理由は示されなかったが、父親はコロナ対策と推測。3年生の部員2人が会場に入れないのをふびんに思い、保護者枠で観戦できないか、学校や市中体連に掛け合った。

 試合前夜に出た結論は「2人の同行は認められない」。コロナ前から観客席は満席状態で、けがや物損の報告が相次いだため、市中体連の剣道専門部が制限を適用するとの説明だった。

規制をかいくぐる入場者らで立ち見出るほど 父親「ルールを真面目に守った生徒や保護者がばかを見た」

 「部活最後の大会から3年生を閉め出す理由にはならないのでは」。父親らは納得できなかったが、時間がなく受け入れるしかなかった。

 試合当日。入場規制したはずの観客席は例年と同じ満席の光景が広がり、通路では立ち見が出た。

 退場時の確認が緩かったのが原因だった。保護者10人が入場し、館内に残る保護者がはがしたシールを集めて運び役の保護者が退場。外で待つ別の保護者に渡す方法で、10人以上入るケースが散見された。

 県武道館では同じ日、1、2階の柔道場で柔道競技が行われており、柔道部員が3、4階にある剣道場に来て自校を応援する姿もあったという。

 父親は「ルールを真面目に守った生徒や保護者がばかを見た。関係ない生徒が観戦できて、3年間剣道に打ち込んだ子どもが入れなかったのはおかしい」と訴える。

 剣道専門部の堀部登美子部会長(市柳生中校長)は「入場制限の理由がきちんと伝わらず、当日のチェックも甘かったのはその通りだ」と認めた上で「会場は県武道館しか確保できないので、最後の大会となる3年生だけでも入れるような検討を進めたい」と説明。今後、改善策を議論する方針を示した。
(桜田賢一)

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