電動カートをあゆみ野でも 石巻市、運用開始2カ所目 市内業者が車両製造
石巻市は28日、地区内の移動に低速の電動カートを利用する「グリーンスローモビリティ」の運用をあゆみ野地区で始めた。導入はのぞみ野地区に続き2カ所目。市内の事業者がハイブリッド車(HV)の基幹部品を再利用して製造した初の石巻産車両を活用する。
2020年に内閣府の認定を受けた「自治体SDGsモデル事業」の一環。カートは5人乗りで、時速20キロ以下で公道を走行する。地区内の災害公営住宅に太陽光発電の充電設備を設けた。フル充電で約20キロ走行でき、あゆみ野、のぞみ野両地区で通院や買い物などに利用する。
地域で車を共同利用する地域カーシェアリングの仕組みを活用。「あゆみ野カーシェア会」が管理運営し、ボランティア運転手も務める。カーシェア会の会員は無料。
現地であったセレモニーで、斎藤正美市長は「新しい移動手段として活用してもらい、コミュニティー活性化の一翼を担うと期待している」と述べた。試乗したあゆみ野1丁目の阿部禮子(れいこ)さん(75)は「快適だった。普段はバスで郵便局や買い物に行っているが、電動カートが利用できれば助かる」と話した。
車両は、市内の自動車整備業4社が21年に設立した「アイ・モビリティー」が製造。HVのモーターやバッテリーを再利用してカートに仕立てた。阿部瑞樹社長(43)=みなとモーター社長=は「半導体不足などもあり苦労したが、無事運行できうれしい。小さな企業でも一から車を造り上げられることを証明できた」と語った。
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