人のつながりが再生後押し 女川の阿部さん、復興伝える 震災津波伝承館「語り部プロジェクト」
東日本大震災の被災と教訓を次代につなげる「公益社団法人3.11メモリアルネットワーク」の県内語り部プロジェクトが、石巻市南浜町の「みやぎ東日本大震災津波伝承館」で始まった。初回の7月22日は女川町観光協会の阿部真紀子さん(52)が住民相互のつながりが強固な女川の復興の特徴などについて話した。
阿部さんは震災前、女川町観光協会で働いていた。震災で一時職場を離れた後、2011年8月に再雇用され、女川町のPR活動などに取り組んできた。12年に語り部活動を開始し、町の復興の様子や災害時何が大切なのかを伝えてきた。
震災直後の女川町の様子を写真や映像で説明し「来る波より引き波の方が強かった。今でも残っている建物は病院だけ」と津波の威力を強調した。町の復興では「町の人が『自分たちでなんとかしないと』と立ち上がった。子どもから大人までがどんな町にしたいか話し合った。みんなが知り合いみたいな女川だからできた」と振り返った。
県内外から11人が参加し、メモを取るなど真剣に聞いた。福岡県から参加した西南学院大(福岡市)外国語学部の清宮徹教授(62)は「南三陸や石巻などで聞ける話はどこも違う。これからもさまざまな被災地を訪れたい」と話した。
阿部さんは「悲しい話しより前向きな話をする。支援はもう終わり。町を楽しんでもらいたい」と話した。
プロジェクトは全20回を予定。毎月第2、3土曜の午後1時半から午後2時半まで。2回目は29日にあり、語り部は山元町の「やまもと語りべの会」の渡辺修次さんが務めた。3回目は8月12日で、語り部は気仙沼市の一般社団法人「プロジェクトリアス」の三浦友幸さんが務める。新たな企画として登壇者を複数招く語り部トークセッションも企画中。
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