大漁旗で歓迎 大型クルーズ船「パシフィックワールド号」、石巻初寄港
マルタ船籍の大型クルーズ船「パシフィックワールド号」(7万7000トン、定員2419人)が7月30日、石巻港雲雀野中央埠頭(ふとう)に初寄港した。外国籍のクルーズ船来港は4年ぶりで、新型コロナウイルス感染拡大後初めて。乗客らは、石巻市街を散策したり、松島町や岩手県平泉町を観光するツアーに参加したりと、思い思いに東北の夏を楽しんだ。
石巻地方3市町、県などでつくる石巻港大型客船誘致協議会の関係者らが大漁旗を振って出迎えた。石巻ジュニアジャズオーケストラの演奏には、デッキから拍手や歓声が上がった。埠頭には石巻地方や松島町などの観光、物産をPRするテントや地酒の振る舞い、石巻焼きそばなどのキッチンカーが並んだ。
記念セレモニーでは同協議会会長の斎藤正美石巻市長が「限られた時間だが石巻を存分に楽しんでください」とあいさつし、初寄港の記念に、雄勝産の玄昌石を加工したプレートを贈った。
乗客約1600人のうち約2割は中国や台湾などアジア圏の観光客。中国北京の40代女性は「東日本大震災から復興した街を見たい」と話した。いわき市の70代男性は「市内をぶらぶらして、すしを食べたい」と笑顔で語った。
埠頭内と石巻駅前、いしのまき元気いちば前では、石巻専修大の留学生ら12人が、石巻観光協会とともに乗客らを日本語や中国語で案内に当たった。石巻観光協会のスタッフと乗客の間の通訳として活躍した。
旧観慶丸商店への道案内をしたり、タクシー手配に当たったりした梁翰宸(りょうかんしん)さん(23)は「中国語で観光を手伝うことができて良かった」と話した。
パ号は同日夜に釧路に向けて出港。小樽などに寄港し、16日に東京国際クルーズターミナルに入る。
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