手作りミニSLに園児歓声 岐阜工高生、石巻の保育所を訪問 震災遺構見学も
岐阜県岐阜工高生が7月24、25の両日、石巻市内の保育所2カ所を訪問し、ミニSL体験乗車で園児たちと交流した。東日本大震災後、同校が被災地の子どもたちに笑顔を取り戻そうと始めた「ミニSLに乗ろう」で、青空の下に園児たちの歓声が広がった。
25日は井内保育所で実施。手作りのミニSLとレールを持参して同校自動車部の男子生徒10人が訪れた。園庭にレールを敷き、ミニSLを準備。早速、2歳児と4歳児の計24人が交代で体験乗車した。
屋内では生徒たちが横田浩恵所長(56)の講話に耳を傾け、震災から園児たちの命を守ることの大切さを学んだ。自動車部副部長で3年の今井健太さん(17)は「被災地で子どもたちと触れたり話を聞いたりして貴重な体験になった」と話した。
24日は相川保育所を訪問。ミニSL体験乗車を開いたほか、地元の語り部から震災体験談を聞いた。震災遺構大川小も見学した。
ミニSLに乗ろうは2013年からの取り組み。毎年、相川と井内両保育所を訪問している。コロナ禍で中断した年もあったが井内は昨年から再開、相川は今年が4年ぶりだった。手作りの滑り台や木製遊具なども寄贈し、子どもたちの力になってきた。
岐阜工高と両保育所を結んだのは震災後、石巻を支援し続けてきた岐阜県高山市のNPO法人すえひろの野中常雄さん(55)。同行した野中さんは「震災を風化させてはならない。石巻で高校生たちが体験したことを地元に持ち帰り、防災を考えるきっかけにしてほしい」と願った。
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