石巻の夏、弾ける 孫兵衛船競漕決勝やお化け屋敷 川開き祭り最終日
石巻川開き祭りの最終日は6日、石巻市中心部で陸上、水上の各行事が繰り広げられた。孫兵衛船競漕(きょうそう)は一般とミニの部ともに、昨年の優勝チームが強さを見せた。祭りの定番、お化け屋敷が復活して、市民や観光客らの人気を集めた。
白熱! 孫兵衛船競漕、決勝
石巻川開き祭りの水上行事「孫兵衛船競漕(きょうそう)」は、住吉公園前に設けた550メートルのコースで準々決勝から決勝までが行われ、一般の部は富国工業が2年連続の優勝を果たした。富国工業の優勝は2005年からのデータで8度目。ミニの部は織姫(おりひめ)モンスターズ(石巻市役所)が4連覇を達成した。
<富国工業、2位に8秒差>
昨年と同じ4チームで争われた一般の部決勝で、2位の石巻広域消防本部に8秒差の3分50秒で栄冠をつかんだ富国工業。チーム唯一の50代のこぎ手、平英人さん(53)は「連覇のために、全員が力を出し切った。王座を守れて良かった」と喜んだ。
強風や高波にも負けず勝ち進んだが、決勝直前で主将が体調不良で離脱。アクシデントに見舞われながらも、力強いオールさばきで他を圧倒した。
チームは20、30代が多く、毎年、世代交代を進めながら勝利する。平さんは「来年も優勝に富国工業の名前を刻む」と意気込んだ。
<ミニは織姫、6秒差でV>
2位の鰐陵漕艇部OGに6秒差をつけ、4分30秒で4連覇を果たした。
代表で創設メンバーの武山真利さん(51)は「強敵ぞろいだったので4連覇できてほっとしている」と勝利をかみしめた。
連覇のために予選からメンバーを入れ替えながら戦った。決勝では体力を温存した精鋭メンバーが息の合ったオールさばきを見せた。市役所内で所属部署は違うが、水上で結束力を発揮し、勝利をつかみ取った。
武山さんは「楽しくこぐことができた。来年はもっとチームの仲を深め、5連覇を目指す」と意気込む。
お化け屋敷、2時間待ちの人気
石巻青年会議所(JC)は石巻市中央2丁目のみやぎ生協文化会館アイトピアホールで「時を超える恐怖 お化け屋敷リターンズ」を開いた。
人気が高く、午後1時の時点で2時間待ちの行列ができた。コンセプトは昭和と令和のお化け屋敷の融合。来場者は手が飛び出る障子や動き出すゾンビに悲鳴を上げるなど、各時代の仕掛けを体験して、ひとときの涼しさを感じた。
東松島市のお化け屋敷創作団体「バケラッタ」が協力。中学生から一般までのボランティアなど計約70人が運営した。川開き祭りではお化け屋敷はかつて別の団体が行っていたが、JCの手により復活を遂げた。
仙台市宮城野区のパート楯石千萩(ちあき)さん(27)は「石巻は父の地元で、小学生の時にお化け屋敷に行った。復活したと聞いて体験したが、たくさん人がいてギミック(仕掛け)も多様で面白かった」と話した。
千葉隆太委員長は「お化け屋敷は昔からあったが、川開き100回記念を機に新しい風を吹き込むべく取り組んだ。昔のお化け屋敷を知っている大人は昔に戻った気持ちで楽しんでほしい」と話した。
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