エンタメ文化に新風 演劇と融合「石巻キネマティカ映画祭」、初開催 独自の催し目指す
プロ・アマから寄せられた短編映画を上映する初の「石巻キネマティカ映画祭」(石巻劇場芸術協会主催)が5日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカで行われた。キネマティカのオープン1周年を記念したイベントで、石巻川開き祭りでにぎわう港町に新しい形のエンターテインメント文化を発信した。今年はプレで、来年から本祭を目指す。
(1)一般(2)スマホ(3)キネマティック-の3部門に県内外から集まった計18作品を順次上映した。入退場が自由とあって市民は入れ代わり立ち代わり観賞。東日本大震災を題材にしたドキュメンタリーからコロナ禍を逆手に取ったSF作品までとバラエティーに富んだ内容で観客の関心を引いた。
映画と演劇を両輪とするキネマティカらしかったのがキネマティック部門。上映後に出演者がステージに上がり、役柄もそのままにパフォーマンスを披露する趣向で楽しませた。
その一人が同市出身の俳優・小林四十さん(47)=東京都=。上映された映画「星屑(ほしくず)ステージ」で演じたニューハーフの格好で登場。映画から飛び出した格好で客席は大うけ、製作秘話やギターの弾き語りで盛り上げた。小林さんは「東北地方にはないキネマティカ独自の映画祭に育ててほしい」とエールを送った。
石巻地方でロケした映画「有り、触れた、未来」をキネマティカで公開したことが縁でお祝いに駆けつけた山本透監督(54)は「石巻の文化の力を感じた。私も来年、作品を出したい」と語った。
キネマティカを運営する石巻劇場芸術協会の矢口龍太さん(40)と阿部拓郎さん(35)は「念願の映画祭だった。キネマティカならではの映画祭にしていきたい」と強調した。
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