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たい平さん、シャッターに感謝の書と絵 2月閉店、石巻の料理店「銀玉水」

完成した書と絵の前で記念撮影するたい平さん(中央)と岡崎さん夫婦
集中して作業するたい平さん

 2月に惜しまれながら閉店した石巻市中央2丁目の料理店「銀玉水」のシャッターに、なじみの客だった落語家の林家たい平さんが書と絵を描いた。東日本大震災後、復興支援で石巻を訪れる度、店に通っていた。「店での他愛のない時間が好きだった」と感謝を込めて筆を取った。

 いしのまき観光大使を務めるたい平さんは6日、石巻川開き祭りのパレードに座布団の着ぐるみで参加し、市民と交流。書と絵は6、7の両日、計約6時間ほどかけて仕上げた。

 味のある書体で「たくさんの笑顔を作ってくれてありがとう」とつづり、自身が落語家の道を歩む決意をした日和山公園の桜と、石巻らしく海とクジラを描いた。

 店は同市日和が丘2丁目の岡崎耕造さん(73)が40年間、夫婦で切り盛りしていたが、岡崎さんの腰の持病が悪化し、閉店を決めた。

 たい平さんは震災後、石巻を応援しようと企画したバスツアーの参加者に勧められ、2011年10月に初めて来店。「何を食べてもおいしい」と気に入り、以来、年に数回通い、閉店前日にも訪れた。

 お気に入りのメニューはカニの身をほぐして甲羅に詰めた「カニボウル」だった。毎回のように魚を入れる発泡スチロールに書をしたためた。作品は店内に所狭しと飾られていた。

 作業を終えたたい平さんは「閉店は残念。感謝を込めて明るい絵にした」と話した。制作を見守っていた岡崎さんはシャッターを見つめ、「気分がいい」と笑顔を見せた。

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