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廃材に新たな可能性 武蔵野美大生、作品で提案 企画展20日まで 石巻

廃材で作ったイーゼルなど独創的な作品が見られる

 武蔵野美術大の学生らが産業廃棄物を使って制作した作品展「民具のその先へ」が、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で始まった。空間演出デザイン学科の学生や卒業生約15人が、漁網などを用いて形作った独創的な作品が並ぶ。20日まで。

 展示は市博物館で開催中の企画展「民具のデザイン図鑑」(同大特別協力)に合わせて企画。制作を通じ、廃棄物の新たな可能性を探った。

 作品展示はロビーとアトリエに展開。卒業生の作品が中心のアトリエには、カラフルな漁網を駆使した食べ物の模型や、サンダル、花瓶など参加者がそれぞれのアプローチで廃棄物と向き合った成果が並ぶ。

 「見立て」をテーマにしたロビーには廃材で作ったイーゼルに、ユニークな観点からモチーフを捉えたスケッチが添えられている。機械の部品やコンクリート片などをモチーフに来場者が見立てに参加できるブースもある。

 学生らは市内の産業廃棄物処理会社「重吉興業」の協力の下、同社で扱う廃棄物を基に作品を制作した。5月に活動を始め、廃棄物の山から作品に生かせそうな素材を収集した。

 8日に講評があり、制作者の作品解説を受けて教授らが批評した。

 同学科の鈴木康広教授は「手ごわいテーマだったが、消えてしまうものをすくい上げてじっくり見るのは面白く、学生たちの制作能力も開発された」と評価した。

 重吉興業社員の山内優仁さんは「ごみに対し『あれがほしい』と言われるのは不思議な気持ちだった。廃棄物の可能性の振り幅が感じられた」と話した。

 入場無料。午前9時~午後10時。月曜休館(月曜日が祝日の場合はその翌日)。連絡先は市博物館0225(98)4831。

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