閉じる

学年担任制、成果は上々 教科で教員交換し授業力向上 東松島・矢本東小

 東松島市矢本東小(児童449人)は、3~6年生に「学年担任制」を取り入れている。学級の児童に担任だけではなく他の学級の担任も関わるようにし、学年の教員2~3人で一つの学級を見ていく。授業は学年内で担任が受け持つ教科を交換し、理科と英語は教科担任制を導入している。

 学級担任を1人に固定せず、複数の教員が関わる学年担任制は前年度に始めた。相沢進校長は「多くの目で子どもたちの良さを見つけ、成長を後押しできる。児童が抱える課題には連携して対処する」とメリットを強調する。

 友人関係の変化にも気付きやすくなるという。児童はいろいろな教員と関わることで、さまざまな考え方や人間性を知ることができる。

 教科指導は1人の担任で全ての教科を教えることがなくなり、教材研究の労力が軽減される。交換授業で受け持つ教科については、2~3学級で教えることで、授業力が向上していく。児童にとっては専門性のある授業を受けられる。

 4年生は3学級。算数の授業は1組から3組まで、3組担任の佐藤尚教諭が受け持つ。7月4日にあった1組(25人)の算数の授業は「小数のしくみを調べよう」。

 4人のグループが聴き合う、教え合うといった「協同的な学び」の視点を大事にする。板書した友達の考えに「ああ、そういうこと」と気づき、学びを深める場面もあった。終始落ち着いた雰囲気で授業が進んだ。

 学年の枠を超えて授業を参観し、授業力アップへ自己研さんに努める教員も見られた。

 学年担任制では、一つの学級に複数の教員が関わることから、悩みなどがあった場合の児童の相談先が増える利点もある。子どもにとって相談できる環境が整うことは学校生活の安心感につながる。

 教員にとっての学年担任制の効果について、外山友主幹教諭は「職員室で会話が増え、教員間の横のつながりが増える」と話す。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ