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やってみた! 記者が夏チャレ > 石巻こけし作り

林さん(右)の指導を受けながら絵付けをしていく記者

 誰もがきっと一つくらいは持っている「いつかはやってみたい」-。新型コロナウイルスによる行動制限が緩和された今年の夏。ぐっと気持ちが高まる。記者それぞれがチャレンジしてみた。(随時掲載)

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<ニヤリ顔でも工人気分>

 伝統工芸の「こけし」とはひと味違ったオリジナルデザインで人気を集める「石巻こけし」の制作体験のため、石巻市立町2丁目の林呉服店内にある工房「TreeTree Ishinomaki」を訪ねた。考案、制作者の林貴俊さんが、にこやかに迎えてくれた。

 石巻こけしに使われる木材はイタヤカエデ。やや硬く、加工もやや難しいとされる。削り出すと材面に絹のような光沢が出るのが特徴という。今回は絵付けだけではなく、特別に角材からの削り出しにも挑戦させてもらった。

 木工旋盤にセットされて回転する角材に、荒削り用のバイト(刃)を慎重に当て、横にスライドさせる。腕に結構な振動が来る。角が少しだけ丸くなった。一応、削れているようだ。こけし工人気分になれた。

 林さんにこけしの形に整えてもらい、絵付けに入る。旋盤で回転するこけしにアクリル絵の具を付けた筆を当て、胴体に横線模様を入れていく。気持ちがいい。

 眉や目、鼻、口といった顔のパーツは墨を使い、細筆で描く。「(筆の)入りと抜きが肝心」とアドバイスをもらうが、どうも口の線の抜けが悪い。何かをたくらんでいるような「ニヤリ顔」になってしまった。

 胴体に魚を模した絵柄を描き、底に署名をして完成。何とか形にすることができた。工房での絵付け教室は新型コロナ以降、休止中。「時期を見て再開します」と林さん。再挑戦を決意した。(山形泰史)

■上達のこつ/工房「TreeTree Ishinomaki」林貴俊さん(49)

 味わいあるかわいらしい顔に仕上がった。眉や口を描くときは、動かしながら入り、止まらず抜く意識を持つとうまくできる。

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