閉じる

盆踊りや花火、石巻地方で夏行事盛ん 地域と関わる機会に

■東松島・鳴瀬で100回目の流灯花火大会

鳴瀬川上空と川面を彩る花火=16日午後8時30分ごろ
鹿嶋ばやしを小学生と有志が披露した
山車を引き、あおい1丁目公園に向かって練り歩く子どもら

 東日本大震災や水難の犠牲者らを供養する東松島市鳴瀬の流灯花火大会が16日夜、同市小野の鳴瀬川河川敷で開かれた。

 花火大会は水難者の霊を慰める目的で始まり、今年で100回目。震災や新型コロナウイルスの影響で中止した年以外は毎年開催してきたが、ステージを設けての通常通りの開催は4年ぶりとなった。

 予定されていた流灯は台風の影響で取りやめ、会場の河川敷に灯ろうが並べられた。午後8時ごろから花火約800発が打ち上げられると、来場した家族連れらから歓声が上がった。会場周辺には出店が並び、特設ステージでは地元の鳴瀬鼓心太鼓の演奏などもあった。

 主催した市鳴瀬流灯保存会の片岡健治会長(75)は「地域の皆さんの協力で100回を迎えられた。若い人たちに地域に関わってもらう機会にしながら、先人から受け継いだ伝統として続けていきたい」と話した。

■石巻・広渕地区で盆踊り 4年ぶり2回目の開催

 石巻市広渕地区の夏を盛り上げようと2019年に始まった「広渕の盆踊り」(実行委員会主催)が14日、市広渕小の講堂で開かれた。天候不良に見舞われたが地元の親子連れや小中学生が足を運び、にぎやかな祭りになった。

 祭りは地区の伝統芸能である鹿嶋ばやしで始まり、同校6年と実行委有志が迫力ある演奏を披露した。参加者は会場の中心に組まれたやぐらを囲んで盆踊りを楽しんだ。「織り姫・ひこ星コンテスト」と称して上手に踊れた参加者を表彰した。

 盆踊り開催は2回目。同地区では夏祭りが18年を最後に終了し、それを引き継ぐ形で19年、広渕の盆踊りを初開催した。翌年以降は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、今回が4年ぶりの開催となった。

 兄弟と親戚ら3人と訪れた広渕小2年の平塚虹花さん(7)は「おばあちゃんに浴衣を着せてもらった。屋台とかいろんなものがあって楽しい」と笑顔で話した。

 実行委員長の本田浩さん(50)は「来年以降も続けていき、いずれはもっと大きな祭りにしたい」と意欲を語った。

■東松島・あおい地区で夏祭り 子どもだんじり再開

 東松島市あおい地区恒例の夏祭りが14日、あおい1丁目公園で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年は中止した玉造神社の子どもだんじりが再開された他、盆踊りとフィナーレには150発の花火も打ち上げられ、終日にぎわった。

 あおい1~3丁目の各自治会と、連合組織のあおい地区会が主催。だんじりは3丁目公園から1丁目公園までの約800メートルで行われ、約20人の子どもたちが山車を引き、「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声とともに元気よく練り歩いた。

 会場では市無形民俗文化財「大曲浜獅子舞」が披露された他、カラオケ大会などもあった。だんじりに参加した東松島市矢本東小3年の阿部粋(すい)君(8)は「暑かったけれど引いて歩いたことはないので楽しかった」と話した。

 夏祭りは東日本大震災後、住民が仮設住宅で暮らしていた2012年から青森市のNPO法人などの協力を受けて開催。昨年からは地区単独で実施している。

 あおい地区会の小野竹一会長は「毎年来てもらえるようにと、子どもたちにはかき氷や花火をプレゼントした。住民が笑顔になれるイベントをこれからも続けたい」と語った。

関連リンク

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ