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「非認知能力」育み、心豊かに 自由時間や縦割り活動 鹿又小、石巻小、矢本東小

ブランコで遊ぶ児童たち。遊びの中で非認知能力は育まれていく=鹿又小

 「見えない学力」と言われる非認知能力が、子どもの人生や将来を豊かにする力として注目されている。幼児期から学童期の取り組みが重要とされており、石巻地方の学校現場では、縦割り活動や放課後の遊びを通してコミュニケーション能力や協調性、最後までやり抜く力を育んでいる。

 「非認知能力は遊びの中で育つ」。県教委義務教育課で指導主事の経験がある石巻市鹿又小(児童308人)の浦山正幸校長はこう語る。

 同校は放課後に校庭で自由に遊べる時間を設定している。1~4年生が午後2時40分~3時、5、6年生が午後3時35分~4時。遊具で遊んだり、サッカーなどをしたりして楽しむ。

 縦割り12班による毎週水曜日の昼清掃と、主に6年生が企画する月2回の縦割り遊びの活動も実施する。6年生は主体性を発揮し、教員に褒められ下級生に感謝され、自己肯定感が高まる。子どもの居場所があり絆が強まる活動だ。

 浦山校長は「遊びや異年齢集団による活動の中で頑張ろうと挑戦する気持ち、主体性、自分の考えを主張する力などを育てていく」と話す。

 昨今、子どもの人間関係をつくる力やコミュニケーション力の低下が指摘される中、縦割り活動の充実に取り組む同市石巻小(児童283人)の新井雅行校長は「異学年の仲間と活動することで、集団を動かす6年生はリーダーシップが育まれ、1、2年生も協力する」と言う。

 自己肯定感やリーダーシップ、協調性といった非認知能力が培われていく。新井校長は「学校の中での集団活動は大事で、社会、地域の一員として将来、生きる力の基盤になる」と説く。

 非認知能力はこうして周りの人との関わりの中で養われていく。

 東松島市矢本東小(児童449人)は、1年生と6年生、2年生と5年生の「兄弟学年」が日常的に関わる機会をつくろうと本年度、教室を隣同士の配置にした。

 6年生は1年生の教室に入って絵本を読んであげたり、休み時間に一緒に校庭で遊んだりと自然な形で触れ合いを深め、思いやりの気持ちが育っている。日常的に交流機会が増えたことで、コミュニケーション力もアップしている。

 相沢進校長は「5、6年生は下級生に見られることで頑張る気持ちを強め、1、2年生は先輩への憧れの気持ちを抱く」と語る。

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