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手作り人形、世相風刺 石巻・旭町で「野菜仕掛物祭り」 住民ら、伝統行事楽しむ

将棋の駒などを野菜で表現した作品

 石巻市旭町で100年以上の歴史がある「野菜仕掛物祭り」(旭町恒心会主催)が23日、同町で開かれた。新型コロナウイルスの影響で中止が続き、4年ぶりに開催。地元住民が野菜で作った人形が並び、趣向を凝らした仕掛け物が来場者の目を楽しませた。

 旭町恒心会館から戸田豆腐店までの市道約200メートルを車両通行止めにして開かれた。人形は町内五つの班がそれぞれ1作品出展した。

 民家の軒先などには居酒屋の光景や将棋の藤井聡太七冠など、住民の好きなものや時の人をテーマにした出し物が並べられ、地域住民や見物客が伝統行事を楽しんだ。

 審査の結果、金賞には5班の「次の100年へ」が選ばれた。5日の石巻川開き祭り花火大会を題材とし、切って形を整えたパプリカ、シシトウ、カボチャで尺玉を表現。水中スターマインはタマネギやニンジンなどで、水面で半円形に広がる姿を再現した。

 石巻市千石町の会社員阿波圭亮さん(30)は「子どもの頃から見てきた祭りで、なくてはならないもの。再開はうれしい」、長男の奏介ちゃん(4)は「うさぎなどかわいいものが多かった」と喜んだ。

 催しは、町内の農業従事者が収穫に感謝する祭りとして大正時代に始まった。農業従事者や地区の世帯減少などもあり、現在は住民同士の親睦を深めることが目的になっている。当日は「旭町延命地蔵尊」の祭典もあった。

 日野雅晴会長は「住民の高齢化が進むため、若い層の参加を促し、存続させたい」と話した。

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