昭和30、40年代の活気づく古里活写 石巻出身の橋本照嵩さん、写真集を出版
石巻市出身の写真家橋本照嵩さん(83)=さいたま市=が写真集「石巻 1955.6-1969.5」を出版した。同市中央1丁目にあった果物店で生まれた橋本さんは少年時代から街と人々の様子をカメラで撮り続けた。当時はフィルムの時代で、写真集には昭和30年代から40年代の水産で活気づく石巻の街が焼きつけられている。
写真集に見るのは1955年6月から69年5月までの懐かしい港町・石巻の光景。橋本さんが初めてカメラを手にした頃から30歳ごろまでに撮った写真で、プロとして売り出す前だ。
「中瀬に架かっていた東西の内海橋が私の写真撮影の格好のスタジオだった」と振り返るように、中瀬には大衆娯楽の殿堂・岡田劇場があり、二つの橋を荷馬車やてんびん棒を担いだおばあさん、大八車や三輪トラックが行き交った。そのにぎわいを橋本さんは好奇心の塊となって活写した。
湊地区に魚市場があった時代で、水揚げに沸く市場や川岸にひしめくように係留されたカツオ船やサンマ船、精悍(せいかん)な船乗りたちがフィルム一枚一枚に刻まれた。凱旋(がいせん)パレードか、市民の歓迎に手を挙げて応える石巻市出身のコメディアン由利徹の写真もある。
これらモノクロを中心に収められた54点(一部カラー)には、若かりし頃の橋本さんが夢中でシャッターを切った港町・石巻の活気が捉えられている。今では貴重な昭和の記録だ。
橋本さんは「人も町も元気だった頃の石巻を今に伝えたくて、あの頃撮った写真から編集した」と話す。
写真集は縦257センチ×横182センチ。72ページ。定価2970円。Zen Foto Gallery(禅フォトギャラリー、東京都)発行。
<東京で写真展も>
写真集「石巻」の出版に合わせて写真展「石巻」が東京都港区六本木の禅フォトギャラリーで開かれている。1981年に橋本さんが撮影した北上市の馬市の作品も同時に展示している。会期は22日まで。開館時間は正午~午後7時。休館日は日・月曜、祝日。入場無料。連絡先は03(6804)1708。
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