桃生の3小、統合へ 2025年春に新「桃生小」 小中一貫教育目指す 石巻市教委
石巻市教委は、桃生地区の中津山一、中津山二、桃生の3小学校を2025年4月1日を目標に統合する方針を固め、住民説明会を4日夜、市桃生公民館で開いた。3校を廃止し、新たに小学校を設置し、統合後の名称は新生の「桃生小」とする。校舎は桃生小の現校舎を使用する。3校を統合して複式学級を解消し、将来的には桃生中との小中一貫教育を目指し、教育環境の充実を図る。
少子化による児童数の減少を踏まえ、4月に3小PTA会長らから3校統合を求める要望書が市教委に提出された。桃生中の小規模化も見据え、小中一貫教育の導入も検討することが盛り込まれた。
これを受け、市教委は5月以降、桃生地区の小中PTA役員、学校評議員、行政委員、幼稚園・保育所の保護者らを対象に計11回説明会を開き、意見を聞いてきた。教員やPTA、行政委員ら計13人で構成する桃生地区教育環境懇談会も設置し検討してきた。
この日の住民説明会では市教委から統合や小中一貫教育についてこれまでの説明会などで「小中一貫教育を目指しつつ、早急に3小学校を統合してほしい」「桃生中の広い敷地を活用し、小中一貫校を目指してほしい」などの意見や要望があったことが報告された。
23~29年度の桃生地区児童数の推移や桃生小を統合先とした場合のメリット、3校統合や小中一貫教育の方向性などについても説明があった。本年度3小学校の児童数は中津山一74人、中津山二106人、桃生71人の計251人。29年度の推計値は157人で約100人減る。桃生小は24年度から、中津山一小も26年度から一部複式学級になる見込みだ。
桃生小は教室数が22と多く、仮設校舎の建設が不要で、最低限の改修のみを行うことで3校統合の早期実現が図られるほか、統合に係る全体経費が抑えられるメリットがあるという。
小中一貫教育は、桃生中を活用していく方向で検討を進める。現校舎は築50年が経過。建物の劣化状況を調査した上で改修や整備を検討していく。
住民説明会には約60人が出席した。住民からの「3小学校の統合に賛成。桃生中の改修計画を示し、小中一貫教育を早く進めてほしい」との指摘に対し、市教委は「可能であれば来年度にも調査したい」と述べ、予算措置を目指す考えを示した。
3校統合の方向性について住民から異論はなく、市教委は28日に予定される定例教育委員会で3校の閉校や新設小学校について決定する。
関連リンク
- ・農水産業支援を県に要望 東松島市、県職員らと視察
- ・カーシェアへの支援継続を 石巻の11団体、市に要望書提出
- ・受け継いだ舞、勇壮に 石巻地方神楽大会 8団体が出演
- ・昭和30、40年代の活気づく古里活写 石巻出身の橋本照嵩さん、写真集を出版
- ・発掘!古代いしのまき 考古学で読み解く牡鹿地方 > 古代石巻地方の田夷「真野公」氏