「キネマティカ」はつなぐ居場所 石巻劇場芸術協会の矢口代表、仙台で役割を発信
「演劇とまちなかの居場所づくり」を考えるトークイベントが2日、仙台市青葉区のカフェ「センダイコーヒー」であり、石巻劇場芸術協会代表の矢口龍太さんが、運営するシアターキネマティカ(石巻市中央1丁目)の街中での役割を語った。
「仙臺まちなかシアター」代表の高橋菜穂子さんの司会の下、矢口さんと仙台を拠点に活動する俳優・演出家の渡部ギュウさん(東北えびす代表)、仙台市若林区で参加型のフリースクールを運営している「親子の居場所Clover」代表の遠藤さち子さんの3人がそれぞれの立場から意見を述べた。
矢口さんは「(キネマティカを)近所の人が入りやすい場所にしたい。複合エンターテインメント施設にしたのも、東日本大震災で被災した街中の居場所になってほしかったから」と強調した。
仙南の子どもたちと芝居づくりに取り組む渡部さんは自己肯定感を生む場としての演劇の役割を説いた。遠藤さんは不登校の子どもたちの心の回復に果たす演劇の可能性に期待した。
それらを実現できる場として石巻にできたキネマティカに関心が集まった。高橋さんは「緩やかな居場所が現状ではないに等しい。石巻にはそんな場所がある。劇場が人と人、心と心をつなぐ居場所になってほしい」と結んだ。
トークの前には親子が気軽に演劇に触れる企画として朗読劇「命を弄(もてあそ)ぶ男ふたり」(岸田國士著)があり石巻市出身の俳優芝原弘さん=仙台市=が出演した。
仙臺まちなかシアターは仙台市内の飲食店を会場に在仙俳優たちが短編小説を語り、演じる演劇イベントで12月まであと4回、各所で上演される。
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