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東京で俳優鈴鹿景子さんしのぶ会 石巻女高出身者駆けつけ、別れ惜しむ

鈴鹿さんの遺品や写真などが飾られた中、あいさつする鈴鹿景子事務所の関係者や俳優、スタッフ、仲間たち

 7月に病気のため67歳で死去した石巻市出身の俳優鈴鹿景子さんをしのぶ会が10日、東京都大田区の大森複合施設ビル「Luz(ラズ)大森」であり、俳優仲間や鈴鹿さんの母校・石巻女高(現石巻好文館高)出身者らが別れを惜しんだ。

 活動拠点だった大田区で行われたしのぶ会には約60人が出席。テレビドラマで春日局を演じた時の衣装姿の鈴鹿さんの写真が飾られ、参加者は受付で渡された白いカーネーションを1輪ずつ献花し手を合わせた。

 生前、親交があった人たちが思い出話を披露した。鈴鹿さんのライフワークだった方言による一人芝居から「屁(へ)ったれ嫁さん」も上映、方言で豊かに表現する鈴鹿さんの演技に見入った。京都で撮影がある時、新幹線で必ず食べたというシューマイ弁当が一人一人に振る舞われた。いつも場を和やかにした鈴鹿さんをしのぶ会らしく、会場は温かい雰囲気に包まれた。

 1月の掬乃会(大田区民プラザ)での朗読が最後の舞台だったが、主催者だった日本舞踊家の藤間掬穂さんは「病気が進んでいたことを知らなかった。まさに命をかけた朗読だった。すてきなお声を忘れられない」と声を詰まらせた。

 東京在住の石巻女高出身者たちも駆けつけた。2年後輩という及川京子さんは「同窓会で見た一人語りのパフォーマンスがすごかった。古里が誇れる先輩だった」とたたえた。

 鈴鹿景子事務所の公演をスタッフとして手伝った川名真弓さんは「知り合って四十数年。楽しい思い出ばかり」と語った。

 何度か同じ舞台に立ち、しのぶ会では司会を務めた杉本朋美さんは「(鈴鹿さんが演出を兼ねた)稽古では決してダメとは言わず、もう少しこうしてみたらがエンドレスで来た。その繰り返しが楽しかった。また一緒に作品を作りたかった」と残念がった。

 会場にはテレビの「水戸黄門」や「銭形平次」などに出演した時の台本や舞台写真、ポスターなどを展示。参加者は映像、舞台に活躍した鈴鹿さんの俳優人生に思いをはせた。

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