いしのまき食探見 > 大豆 食卓の味、手軽な価格で
海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。
大 豆
日本人が昔から食べている大豆や大豆製品は、タンパク質が取れるヘルシーな食品だ。大豆は栄養価が高い食材として世界中で食べられているという。
日本人の生活になじみが深い大豆製品は、納豆や豆腐、油揚げ、きな粉、豆乳などの他、みそ、しょうゆも大豆を原料にした日本古来の加工食品だ。
大豆は「畑の肉」と言われる。石巻市健康推進課の管理栄養士末永さつきさんは「可食部100グラム当たりのタンパク質量は肉に匹敵し、人間が必要とする必須アミノ酸20種類全てを含む素晴らしいタンパク源だ」と話す。
タンパク質の消化吸収率は納豆で91%、豆腐で95%と効率よくタンパク質を取ることができるという。大豆は他に炭水化物、脂質、食物繊維なども含まれており、小さな粒にたくさんの栄養が詰まっている。
「豆腐のみそ汁と納豆ご飯という組み合わせはどうでしょう。タンパク質がしっかり取れて、しかもヘルシー」と末永さん。「肉のように悪玉コレステロールや脂肪の取り過ぎを気にする必要もありません」
豆腐の魅力や食べ方を探ろうと、石巻市広渕柏木の山田豆腐店を訪ねた。
京都の老舗豆腐店で修業した経験がある代表の山田友則さん(45)は「甘みが強かったり、スイーツ感覚で作られたりする製品も見られるが、当店は手作りで昔ながらのシンプルな味を追求している」と話す。
宮城県の奨励品種ミヤギシロメをはじめ、キタムスメ、青豆といった国産大豆を使い、絹ごしなど毎日200丁の豆腐を手がける。
山田さんは「食べ方は好みがあるが、残暑が厳しいので、冷ややっこや、野菜の上に豆腐をちりばめたサラダがお薦め」と提案する。
「昔から日本人に愛されてきた食卓の味を追求し、手頃な値段で提供していく」と語る山田さん。豆腐のおいしさに合点がいった。(浜尾幸朗)
<メモ>
山田豆腐店で作られる豆腐は、青豆が原料の「青まめ」(1丁310円)、北海道産大豆キタムスメを使った「きぬごし豆腐」(210円)、宮城県産大豆ミヤギシロメを使用した「しろ豆腐」と「絹ごし豆腐」(いずれも150円)がある。移動販売車で販売する他、「グリーンサムいちば」(石巻市恵み野6丁目)で購入できる。連絡先は0225(73)2203。
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