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ツール・ド・東北2023開幕 グループライド4年ぶり 奥松島の食や景色、楽しむ

景観を楽しみながら走るライダーたち=東松島市宮戸
石巻好文館高書道部による横断幕を掲げ、ガッツポーズするパンサー尾形さん(右から5人目)ら

 東日本大震災で被災した県沿岸部を自転車で巡る「ツール・ド・東北2023」(河北新報社、ヤフー主催、三陸河北新報社など共催)が16日、石巻専修大を発着点に開幕した。初日は「奥松島グループライド&ハイキング」が4年ぶりにあり、約100人が東松島市の景色を楽しんだ。17日はライダーたちが石巻、気仙沼、女川、南三陸の2市2町の65~210キロの4コースを走る。

 奥松島グループライド&ハイキングは、石巻専修大を出発し、北上川沿いの堤防や石巻港の工場群を走った後、東松島市宮戸の奥松島縄文村歴史資料館で折り返すコースを走った。

 休憩所となるエイドステーション(AS)は、矢本海浜緑地と復興再生多目的施設「あおみな」に置かれ、東松島市産のアナゴや、ノリを使った料理が提供された。

 あおみなASでは、東松島観光物産公社の6人がアナゴをひつまぶし風に仕上げたおにぎりとノリ汁約130セットを準備した。門馬真紀江さんは「東松島ならではの食材と景色を楽しんでもらえたらうれしい」と語った。

 ライダーたちはあおみな近くの大高森でハイキングを楽しんだ他、東松島市の市震災復興伝承館や旧野蒜駅といった震災遺構にも立ち寄った。伝承館スタッフらが、野蒜地区の震災当時の状況や被害を説明した。

 東京都の会社員吉井ちよさん(42)は、ツール・ド・東北に5回目の参加。「被災地の様子を自分の目で見て、復興支援として参加したが、地域の人から逆に元気をもらえる。奥松島の海が見える道路を走り、地元の人たちの海の大切に思う気持ちを感じた」と話した。

応“縁”飯に舌鼓、市民らフェス満喫

 コース発着点の石巻専修大では、トークや抽選会などのイベント「応“縁”フェス」が開かれ、市民らは飲食をしながらフェスを楽しんだ。17日はステージ、各ブースがある。

 石巻広域消防音楽隊による大会イメージソング「希望の轍(わだち)」(サザンオールスターズ)の演奏で開幕。航空自衛隊松島基地所属のF-2戦闘機2機が頭上を飛行、フェスを盛り上げた。

 石巻好文館高書道部による大会キャッチコピー「応援してたら、応援されてた」を記した横断幕も披露された。

 共催自治体と協賛企業の景品が当たる抽選会では、当選者にのりうどんなどの特産品詰め合わせが贈られた。

 「応“縁”飯」ブースでは、サバだしラーメン、石巻焼きそばなどが提供され、地元グルメに舌鼓を打った。

 東松島市出身のお笑い芸人、パンサーの尾形貴弘さんによるトークショーでは、石巻市内の小中学校9校の代表児童・生徒らが、クラスや部活動で作った横断幕を披露した。

 トークショーに参加した湊中3年の佐藤琴さん(15)は「緊張した。生の尾形さんに会えてうれしかった」と笑顔で語った。

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