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「未来に命つなぎたい」 東北大生、震災遺構・大川小でガイド

東北大生(左)が来場者に大川小について説明した

 東北大の学生ボランティアグループが10日、石巻市の東日本大震災遺構「大川小」で語り部ガイドとして校舎を案内した。

 語り部を務めたのは、ボランティアサークル「SCRUM」の震災伝承防災部に所属する4人。今年2月に大川小を訪れ、「大川伝承の会」から話を聞いたことや、竹灯籠づくりのワークショップに参加したことをきっかけに、今回初めてガイドを務めた。

 学生たちは、校舎を案内しながら、実際に大川小の児童たちが避難したルートを紹介した。大川小付近にはかつて住宅が多かったことや「津波は海からではなく北上川から流れてきた」と説明。学校の裏山にも登り、大川地区が見渡せることや「現在も児童4人が見つかっていない」と話した。

 「災害時の極限状態の中で、避難などを冷静に判断をするには事前の準備が必要。家や職場で災害に遭った時を想定し、本気で備えてほしい」と呼びかけた。

 2年の後藤太朗さん(20)は「大川小を悲劇の場だけにするのではなく、命を守るきっかけの場にできれば。伝承と防災を通じて、未来に命をつなぎたい」と語った。

 ガイドを聞いた横浜市の児童クラブ職員松沢史さん(53)は「震災も戦争などと同じく伝えていく必要があると改めて感じた。交流サイト(SNS)での発信など、子どもたちにも伝えられる場ができてくれれば」と話した。

 大川伝承の会共同代表の鈴木典行さん(58)は「内容をしっかりとまとめていただいた。自分の言葉で、思いを入れながら話してもらえたら。後輩にも引き継いでくれればうれしい」と述べた。

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