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基準地価 東松島宅地、3年連続上昇 矢本地区の需要堅調 石巻は7年連続下落

石巻地方で最も上昇率が高かった東松島市赤井川前二の住宅地

 県が20日公表した2023年度の県内基準地価〔※〕(7月1日時点)によると、石巻地方の住宅地の平均変動率は、東松島市が前年度比2.1%上昇し、3年連続でプラスだった。交通利便性が高く、石巻市内と比べ割安感のある矢本地区を中心に堅調な需要が続く。石巻市は1.2%下落し、7年連続のマイナスだった。

 東松島市の住宅地は調査対象6地点のうち、3地点が上昇、2地点が下落、1地点が横ばいだった。上昇率が最も高かったのは赤井川前二の6.7%。矢本上河戸が5.3%、矢本大溜が4.5%で続いた。

 東日本大震災の被災程度が比較的小さい矢本、東矢本、陸前赤井各駅の徒歩圏は需要に比べて供給が少ない状態となっている。最高価格は矢本上河戸の1平方メートル当たり5万5500円だった。下落率の最大は宮戸里の3.1%。

 石巻市は24地点のうち、19地点が下落、上昇が3地点、横ばいが1地点、本年度からの新たな基準値が1地点だった。震災後の移転需要収束に加え高齢化も進行し、下落傾向が続く。

 下落率が最も高かったのは北上町橋浦大須で3.1%。雄勝町大須船隠が2.7%、桃生町寺崎町が2.4%で続いた。旧石巻市内では不動町1丁目と山下町1丁目、塩富町2丁目がいずれも1.7%で下落幅が大きかった。

 上昇地点は前年度のゼロから増加したものの、上昇率は最大でもあけぼの3丁目の0.6%にとどまった。最高価格はあけぼの3丁目の6万4000円。次いで茜平5丁目が5万8600円だった。

 女川町は2地点のうち、前年度から基準値となった女川1丁目が横ばいで2万3400円。鷲神浜荒立は1.0%下落の2万800円だった。

 商業地の平均変動率は、石巻市(5地点)が0.2%の下落、東松島市(2地点)は1.8%の上昇、女川町(1地点)は横ばいだった。工業地は石巻市(2地点)のみで1.6%のマイナスだった。

〔※〕基準地価:土地取引の指標として、都道府県が毎年7月1日時点で調べる基準値の価格。不動産鑑定士が1平方メートル当たりの価格を算定し、土地取引や固定資産税評価の目安になる。

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