有終の力走 「仙北陸上競技大会」81回の歴史に幕 白楊クラブ主催、県内最古
第81回仙北陸上競技大会(白楊クラブ主催)が23日、石巻市の和渕水辺の楽校であり、石巻地方の小学生たちが日ごろの練習の成果を競った。1935年に始まり、戦時中の中断を挟んで続いてきた大会は今回が最後。陸上競技の振興という当初の目的を果たしたとして、惜しまれつつ幕を閉じた。
最後の大会には石巻地方から約160人が参加。学年別の100メートル走や走り幅跳びなど男女各10種目があり、選手たちは保護者や指導者の声援を受けて力いっぱいコースを駆けた。
女子800メートルで大会新記録を出して初優勝した石小陸上スポーツ少年団の藤井稟さん(石巻小6年)は「1年生から出場してきた思い入れのある大会。新記録で優勝できたのはうれしいが、最後になるのは残念」と話した。
仙北陸上は県内最古の陸上大会とされ、かつては県北や県外からも多くの参加者が集まった。近年は少子化もあり、エントリーが減少。県内で他の大会や記録会が増え、使命を果たしたとして終了を決めた。
80年超の歴史の中では、3世代で出場した選手も。男子6年100メートルに出場した和渕小6年の高橋樹生君(12)は、祖父の永悦さん(63)、母の由江さん(42)もかつて参加した。
開会式で選手宣誓を担った高橋君は「大会を続けてきた人たちの熱意を伝えられるよう宣誓した。最後の大会で特別な思い出ができた」と語った。
白楊クラブの星圭会長(70)は「和渕地区の皆さんと一緒に続けてきた手作りの大会だった。陸上競技の盛り上げに貢献できたことを誇りに思う」と述べた。
(記録は後日掲載)
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