待望のサンマ、ようやく 女川で初水揚げ 小ぶりでも脂乗り上々
全国有数のサンマの水揚げを誇る女川町の女川港で27日、今季初めてサンマが水揚げされた。9月末の初水揚げは3年連続で、例年より1カ月ほど遅い。近年、全国的に不漁が続く中、待望の秋の味覚の登場に市場が活気づいた。
午前6時ごろ、塩釜市の鹿島漁業が所有する第3鹿島丸(199トン)が、北海道東沖約1000キロの公海で漁獲した45トンを水揚げした。100グラム前後の小ぶりなものが主体だったが、脂乗りが良く、1キロ当たり800~390円で取引された。
吉田龍太船長(32)は「不漁であることに変わりはないが、昨年の同時期と比べると漁場で魚の群れが見えている」と現状を説明し「質のいいサンマを持って来られて良かった。今後は漁模様がさらに上向いてほしい」と語った。
女川魚市場での水揚げ量はおととしが1200トンで東日本大震災後で最も少なかった。昨年も1294トンにとどまり、記録的な不漁が続いている。
丹野秀之専務(60)は「初回の水揚げとしては上々。今季は目標の1万トンに届いてほしい」と願い、「町を代表する魚なので、サンマが届くと地域が活気づく。刺し身や塩焼きがおすすめなので、たくさん味わってもらいたい」と話した。
女川港には28日に第8千代丸(気仙沼市)、29日に68福神丸(北海道)がそれぞれ入港する予定。
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