防災トイレフォーラム 東松島・大塩避難所の事例紹介、「マンホール」で乗り切る
災害時に向けた地方公共団体のトイレの備えについて情報提供する「防災トイレフォーラム2023」(NPO法人日本トイレ研究所主催、東松島市共催)が29日、東松島市コミュニティセンターで開かれた。東日本大震災の避難所での事例紹介や専門家の講演、展示などを通し、参加者が理解を深めた。
東北では初めての開催で、全国の自治体職員や市内の自主防災組織の関係者ら約300人が参加した。震災時に避難所となり、一時700人ほどが避難したとされる市大塩市民センターの当時の状況や対応が紹介された。
木村喜宥前所長と佐々木美香子事務長、千葉美智子事務主任が登壇。大人数がトイレを使用し、詰まって使えなくなったため、マンホールのふたを開けるとトイレとして使える「マンホールトイレ」5基で対応した事例について語った。
使用した体験を踏まえた教訓や改善点に関して、佐々木事務長は「当時はトイレを囲っているのがテントだったので不安だった。覚悟と慣れで使えるようになった」、木村前所長は「震災の前年に使い方の説明を受けていたが、半年もたたずに使うとは思わなかった」と話した。
フォーラムでは時間経過に応じた避難所運営の課題や、マンホールトイレの使用実績と改善過程などを専門家や市職員らが説明。マンホールトイレや携帯トイレなどの展示もあった。
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