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渡波支所・公民館移転、新津波想定受け検討 住民意向「万石浦公園を候補地に」

渡波地区の住民らが最適な移転候補地として選んだ万石浦公園。奥に見えるのは万石浦中

 県が昨年公表した最大級の津波浸水想定を受けて石巻市が移転を検討している渡波支所・公民館について、地元34行政区でつくる渡波地区区長行政衛生連合会(渡波区長会)が、移転候補地に市万石浦小、中そばの万石浦公園を求める住民意向をまとめたことが29日、分かった。10月にも市に早期移転を要望する。

 万石浦公園は万石浦小、中の間にあり、敷地面積約1万1000平方メートル。東日本大震災の仮設住宅建設地としても活用された。地盤が高いため想定される最大津波高が0.94メートルと地区内で比較的低く、市有地で取得費用が不要なこと、早期の実現性が高いことなどを評価した。

 新想定で渡波地区はほぼ全域が3メートル以上浸水する予測となり、地元から新たな避難場所整備を求める声が上がった。渡波支所の浸水高も約4メートルと示され、昨年6月の住民説明会で斎藤正美市長が移転の必要性に言及。住民にも候補地選定への協力を求めていた。

 区長会は各地区の区長や民生委員・児童委員、公民館利用者らにアンケートを実施。85件の回答を得て、候補地を5カ所に絞った。震災後に移転した渡波中や石巻東消防署近くの水田を活用する案もあったが、用地買収に課題があることや市街化調整区域で整備に時間がかかることなどから除外した。

 区長会の阿部和夫会長は「住民の意見を基に安全面や利便性、費用面などを総合的に考え、最適な候補地として選んだ。早期実現に向けて、市に働きかけたい」と話した。

 市は地元の意向を参考に、安全性などを考慮して移転先を決める方針。

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