石巻と東松島の小学生、有事の適切行動学ぶ 日和山まで「防災まち歩き」
子どもたちの防災力を高め、災害に備えてもらおうと、石巻市のNPO法人放課後こどもクラブ、Bremen(ブレーメン)は、「こども防災まち歩きin日和山」を同市門脇町5丁目の震災伝承交流施設「MEET門脇」などで開いた。石巻、東松島両市の小学生9人が、クラブのある地区を歩くなどして、有事の際の適切な行動を学んだ。
MEET門脇では、公益社団法人3・11メモリアルネットワークのスタッフ阿部任さん(28)が東日本大震災の体験を語った。
津波で家ごと流され9日後に救出された阿部さんは「津波が来ると思わず避難しなかったことを今でも後悔している」と語り、「家族や友人、近所の人など周囲に避難の必要性を伝え、救える命を一つでも増やしてほしい」と呼びかけた。
講話後はMEET門脇から徒歩で日和山公園を目指した。参加者は阿部さんと同ネットワークの中川政治専務理事から避難経路を説明を受けながら、周辺の環境を確認。「階段が急で高齢者などは注意が必要」など話し合いながら歩いた。
防災まち歩きは2017年にスタート。参加した子どもたちは震災後に生まれているため被災はしていない。学びの場だけでなく、若い世代への伝承の意味も込められている。
石巻市大街道小4年の庄内健人君(10)は「災害はいつ、どんな状況で発生するか分からない。避難所に持っていく防災リュックの中身も、いろいろなケースを想定して準備したい」と話した。
防災まち歩きは市の「放課後子ども教室」の一環として9日に開かれた。
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