県議選 石巻・牡鹿選挙区 現職4氏、議席守る トップ当選は本木氏
任期満了に伴う県議選は22日投票が行われ、即日開票の結果、石巻・牡鹿選挙区(定数4)=石巻市、女川町=は現職4人全員が当選し、議席を守った。無所属の本木忠一氏(66)がトップで、自民党の佐々木喜蔵氏(74)、立憲民主党の坂下賢氏(61)、共産党の三浦一敏氏(73)も当選を決めた。いずれも新人で、日本維新の会の佐藤雄一氏(44)と無所属の橋浦清紀氏(59)は落選した。
投票率は39.85%で、直近の選挙戦だった2015年の前々回より5.61ポイント低下。現選挙区となった07年以降で最低だった。
◇石巻・牡鹿選挙区 開票結果
(定数4、立候補6)選管最終
当 13,545 本木 忠一 66 無現(6)
当 9,677 佐々木喜蔵 74 自現(7)
当 8,220 坂下 賢 61 立現(7)
当 6,876 三浦 一敏 73 共現(4)
6,682 佐藤 雄一 44 維新
2,827 橋浦 清紀 59 無新
※注:( )付き数字は当選回数
前回19年は無投票だったため、選挙戦は8年ぶり。定数1減の4議席を6人が争う混戦で、本木氏が15年に続く2度目のトップで6選を飾った。各地の後援会組織や応援に回った石巻市議らがフル回転し、地域票の掘り起こしを徹底。各地で個人演説会も重ねて足場を固めた。農林水産業や建設業界など企業・団体からも広く支持を集めた。1万票を唯一超え、2位の佐々木氏に3800票以上の差をつけた。
選挙区唯一の自民公認候補だった佐々木氏は保守票を着実に集め7選した。地域住民の切実な声を政策に反映するとして、物価高や人口減少の対策を主張の軸に据えた。旧石巻市内を中心に選挙カーでの巡回を重視し、幅広く浸透。公明党の推薦も後押しとなり、15年より約1700票増やし2位当選を果たした。
斎藤正美市長や連合の支援を受けた坂下氏は、選挙区全域を回り支持拡大を図った。最終日の21日には立民の安住淳国対委員長が応援に駆け付けるなど終盤の票の積み上げに奔走。得票は前回から約800票増え、11、15年と2回続いていた最下位当選から抜け出し3位で7選を果たした。
三浦氏は「強引な村井県政にキッパリものを言う」と訴え、4病院再編構想で逆風が吹く村井嘉浩知事への批判票を集めた。告示前から精力的に動き、地元の水押、開北地区、出身地の旧桃生町で支持を固めた。給食費無償化などを掲げて若年層の票も取り込み、最後の議席に滑り込んで4選を決めた。
<新人及ばず>
佐藤氏は9月に市議を辞職し、県議選に初めて候補者を擁立した日本維新の会から出馬。党幹部が次々と応援に入るなど維新の看板を前面に出した。蛇田地区の大型商業施設前で連日街頭に立ち、給食費や高校授業料の無償化などを訴えて若い世代への支持拡大を進めたが、届かなかった。
元高校教諭の橋浦氏は6月に立候補を表明。基幹産業である農水産業の振興や教育改革などを訴え草の根選挙を展開したが、支持が広がらなかった。
当日の有権者数は12万1344人(石巻市11万6342人、女川町5002人)。
【市町別得票数と投票率】
石巻市 女川町 計
本木 忠一 12,630 915 13,545
佐々木喜蔵 8,835 842 9,677
坂下 賢 7,791 429 8,220
三浦 一敏 6,308 568 6,876
佐藤 雄一 6,266 416 6,682
橋浦 清紀 2,690 137 2,827
計 44,520 3,307 47,827
投票率(%) 38.63 68.11 39.85
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