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地域資源利用し「海業」推進を 石巻で講演会 全国の事例紹介

レジャーや観光施設といった漁港の新たな活用方法が紹介された講演会

 海や漁村にある地域資源の価値や魅力を活用する「海業(うみぎょう)」について理解を深めてもらう講演会が、石巻魚市場で開かれた。石巻市内の水産業者や市職員、魚市場関係者ら計約60人が参加し、地域のにぎわいや雇用を生み出す方法を探った。

 元市産業部次長で水産庁漁港漁場整備部計画課長補佐の河野大輔氏が「『海業』推進に向けた国の取り組みについて」と題して講話。海業で成果を上げた全国の事例を紹介した。

 石川県の富来(とみぎ)漁港では、定置網漁を営む会社が回転ずし店をオープン。地元の漁協も直売所を開いたことで漁港の来訪者が増加し、雇用創出と漁業者の所得向上につながった。

 近隣では気仙沼市を例に挙げ、官民組織が昨年と今年に取り組んだ海上アクティビティでにぎわい創出を図る社会実験について説明した。水上自転車やハンドパドルボートなどの体験を用意。停泊する遊覧船内を利用した「海上レストラン」で夜景も楽しめるようにした。現在は常設化に向けて効果や課題を検証しているという。

 水産庁は3月、岩手県大槌町など全国12地域を海業振興のモデル地区に選定。交流・関係人口や賛同企業の呼び込みを模索している。

 河野氏は「海が持つ魅力を子どもから大人までに再認識してもらえるよう、関係団体がそれぞれの良さを発揮してほしい。石巻にしかないものも必ず見つかるはずだ」と語った。

 講演会は10日にあった。

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