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絶滅危惧種ヒヌマイトトンボ生息地保護に貢献、宮城昆虫地理研を表彰 北上川下流河川事務所

生育環境の保全活動が行われているヒヌマイトトンボ(宮城昆虫地理研究会提供)
表彰を受ける阿部代表(右)

 北上川水系が生息地の北限とされるヒヌマイトトンボの保護に貢献したとして、北上川下流河川事務所は昆虫採集や調査などに取り組む宮城昆虫地理研究会(事務局・仙台市)を「Good Job賞」として表彰した。

 同事務所などによると、ヒヌマイトトンボは体長約3センチと小さく、岩沼市などで発見後に1972年に新種登録された。汽水域に生息するため東日本大震災の津波の影響を受け、その後も生息環境が減少。現在は環境省や県のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 研究会は同事務所などと協力し、2018年に石巻市の生息域で保全活動を始めた。震災で地盤沈下後に土地が隆起したことで幼虫のヤゴが生息する湿地ができにくくなったため、水路状に地面を掘って湿地を生みやすくしている。作業は幼虫期の5~6月上旬に実施。成虫は6月下旬から8月に見られる。周囲に生えるヨシで天敵から身を隠すという。

 同事務所で17日、表彰式があり、斉藤喜浩事務所長は「津波はトンボにとっても天変地異の災害だったと思うが、その中で生き残った貴重な財産。しっかり守る必要がある。皆さんの取り組みは良い環境が残る土台になる」とたたえた。

 研究会の阿部剛代表(61)は「これまでの活動が評価され、会員の大きな励みになる。生息地の北上川流域の関係者に協力いただきながら、引き続き保全活動に取り組みたい」と述べた。

 「Good Job賞」の表彰は本年度始めた。同事務所に関係する優良な取り組みや活動を表彰する。

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