建物の損壊想定、壁や扉壊し救助訓練 解体予定の旧庁舎を活用 対応力向上図る 河北消防署
石巻地区消防本部は27日、新庁舎の建設に伴い近く解体が始まる石巻市成田の旧河北消防署庁舎を活用し、地震で崩れた建物からの救出、救助訓練を始めた。旧庁舎を災害現場に見立て、消防署員らが機材を使って壁や扉を壊すなどし、現場での対応力や救助技術の向上を図った。
初日は石巻、石巻東、東松島各消防署の署員で構成した特別救助隊と河北消防署隊の計35人が参加。大規模地震で建物が崩れ、人が閉じ込められたと想定し、訓練を実施した。
旧庁舎は鉄筋コンクリート2階。署員は要救助者の捜索のため、鋼鉄製の扉に円形のカッターで穴を開け、腕を入れて内側からカギを開けた。コンクリートの壁にも捜索用のカメラや担架を入れるための穴を機材を使って開けた。訓練には若手署員も参加し、先輩署員からアドバイスを受けて機材を慎重に扱っていた。
旧庁舎は建設から今年で51年目。来年3月までに解体を終える予定。新庁舎は隣接地に建設され、今月24日に利用を始めた。本格運用は来年4月からの予定。
消防本部の岩井章弘消防危機管理監は「今回のような建物を使った訓練はなかなかできない。地域住民の安心・安全のため、次の防災につなげていきたい」と語った。
訓練は2日間で、28日も人員を入れ替え実施する。
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