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未利用魚を「町おこしに」 石巻専修大・鈴木准教授、魚種や活用事例紹介

鈴木准教授(右奥)の講演を聞く受講者ら

 市場に水揚げされず大半が破棄される未利用魚や、安価で売られる低利用魚、深海魚の活用についての講演会が、石巻専修大であった。受講者は熱心に耳を傾け、未利用魚などに対する理解を深めた。

 県の水産問題が専門の鈴木英勝石巻専修大理工学部生物科学科准教授が講演した。

 未利用魚などは、一般に流通する有用種よりも多く漁獲されるが、売られるのはごく一部。食べられるが、見た目が悪いなどの理由からあまり流通しない。売れるようになれば、市場での水揚げ量や収入が上がるなど、利点が多い。鈴木准教授は「おいしい、健康機能を維持する、高級魚の代替品になるなどのセールスポイントを見つけることが必要」と訴えた。

 縁側部分に脂を多く含むサメガレイや、ツブ貝と同等の味がするというアヤボラなど、8種類の魚介類を紹介。底引き網や定置網で捕獲されるというカナガシラは、タンパク質含有量が多く、水揚げ後2日であれば刺し身としても食べられると述べた。食品以外では、高血圧用のサプリメントや生物分解フィルムに利用できると提案した。

 鈴木准教授は、深海魚が食べられる食堂や、展示される水族館があって町おこしに成功している静岡県沼津市を例に「東北地方で深海魚が捕れるところは限られており、この希少性を利用しない手はない。観光とリンクすれば町おこしに深海魚、未利用魚が役立つのでは」と語った。

 講演は10月、卒業生の交流や大学来訪を促すホームカミングデーの企画として行われた。

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