石巻地域の保育園児に生活習慣の乱れ、割合高く 肥満、体力低下傾向も 石巻専修大調査
石巻地域の保育園児を対象とした石巻専修大の調査で、睡眠不足やテレビの見過ぎなど生活習慣が乱れている割合が高いことが分かった。肥満や体力低下傾向も明らかに。保育園児は共働き家庭が多く、親の生活リズムが影響している可能性がある。
人間学部人間教育学科の高橋功祐助教が、2022~23年度に石巻地域の保育園に通う3~6歳児228人を対象に行った。世界保健機関(WHO)の3~4歳生活習慣指針、21年度学校保健統計調査の幼稚園児の結果と比較した。
石巻地域の保育園児は就寝時間が「午後9時以降」とした割合が93%を占め、10時間以上の睡眠時間を確保したのは12%だけ。WHOは質の高い睡眠の目安を「10~13時間の睡眠を取るべきだ」としている。
テレビやユーチューブ、ゲームなどを視聴する「スクリーンタイム」について、WHO指針は「1時間を超えてはならず、できるだけ短くするべきだ」としている。石巻地域の現状は「60分以上」が72%に上り、「60分未満」は28%にとどまった。排便の質問では「朝しない」「朝しない方が多い」の合計が57%と高かった。
体格の現状は肥満児の割合が年長の男児で11.1%、女児で8.1%となり、学校保健統計調査の同年代平均の男児3.6%、女児3.7%を大きく上回った。体力・運動能力は年少と年長の男児、年長女児で標準より低い値になり、遊びや運動などの活動量が総じて少ない傾向が明らかになった。
高橋助教は「生活リズムが理想と逆に、子どもが親に合わせる状況になっている可能性がある。体力の低さには活動量の少なさが影響しているかもしれない。体力・運動能力と生活習慣との関連性を多角的に分析し、改善に向けて取り組むべきだ」と話している。
調査は石巻地域の文化や学術振興を目的とする「IK地域研究員」の22年度分。2日に石巻専修大で成果が発表され、理工学部機械工学科の高橋智准教授が石巻地域の研究機関が連携して地域特性を考慮したプログラム教育手法を構築した事例を報告した。
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