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女川高等学園の桜の花びら、線香に 堺工科高生徒ら届ける 両校協力し完成

線香や包丁などを女川高等学園の生徒(左の2人)らに手渡す堺工科高生たち
堺工科高生が制作した線香と線香立て

 東日本大震災の被災地支援活動に取り組む大阪府堺工科高定時制課程の生徒と教員の計5人が7日、女川町の県立支援学校女川高等学園(生徒60人)を訪れ、同学園の桜の花びらを使った線香などを寄贈した。線香は町内で桜の植樹に取り組む「女川桜守りの会」に贈呈され、必要とする住民に届けられる。

 学園の流通サービス室で式典があり、1年生10人や教員、桜守りの会の加納純一郎副会長ら約20人が出席。堺工科高の生徒が「気持ちを込めて作った。大事に使ってほしい」と話し、学園生に線香40箱や線香立てなどを手渡した。

 受け取った加藤心遥(こはる)さん(15)は「自分たちが見ていた桜の良さを生かしてくれてうれしい。これからも学校同士で交流を深めていきたい」と喜んだ。

 堺市は刃物や線香作りなどの伝統産業が盛んで、震災があった2011年の秋に、職人を志す工科高生が「何かできることをしたい」と思い立ったのが始まり。12年から宮城と岩手県を訪れ、生徒が作った包丁や線香を届け、近年は包丁の手入れもしている。

 桜の花びらを使った線香づくりは教員同士が防災教育の現場で知り合い、制作を決めた。今春、学園生が敷地内に落ちた花びらを回収、乾燥させたものを大阪府内で線香の原料に混ぜるなど両校が協力して完成させた。

 工科高は震災当時の話や復興の様子を聞き取るため、手作りの線香や包丁などを送付せず、現地を訪れ手渡しすることを心がけているという。

 3年藤木輝星(てるとし)さん(18)は「女川の皆さんが笑顔になってほしい。震災があったことを風化させないように大阪で後輩などに伝えていく」と話した。

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