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「語り継ぐ意義」学ぶ 門脇小で語り部・伝承育成講座 市内中学生ら20人参加

被災体験を語り続ける意義を語る佐藤さん

 将来的な震災伝承の担い手不足解消を目指し、次世代の伝承者を育成する第1回語り部・伝承育成講座(石巻市震災遺構指定管理グループ主催)が11日、石巻市門脇町5丁目の震災遺構「門脇小」で開かれた。市内の中学生ら約20人が語り継ぐ意味について考えた。

 東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は「語って、語りつづけ、語り継いでいってほしいわけ」と題し、語り部には何ができるか、なぜ語り継ぐ必要があるのかなどを紹介した。

 佐藤さんはクイズを出しながら、石碑や慰霊碑は注目しなければ伝承の目的が薄れてしまうことや、体験者本人が直接話したり、他の人の体験談を話したりし、長期間記憶を定着させる方法を説明した。

 語り継ぐ意義として、体験談の形式で伝えて記憶する方が、映像で見るだけよりも具体的で、災害時に臨機応変の対応を取りやすいという自らの見解を紹介した。

 会場からの「若いからこそできることとは何か」という質問に、佐藤さんは「語り部は相手に合わせて内容を翻訳する仕事。同じ世代に対して、伝えやすいという強みがある」と答える場面もあった。

 石巻中1年高橋歩実さん(13)は「被災していない人でも語り部に参加できることが分かった。自分も伝承活動に積極的に関わっていきたい」と話した。

 佐藤さんは「語り部に対しては堅く考えなくて良い。語ることで自分に良いことがあることを伝えたい」と語った。

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