人気ゲーム「マイクラ」活用し防災教育ツール 仮想空間で水害の危険学ぶ 東北工大・小野講師が開発

東北工大の小野桂介講師(河川工学)は人気ゲームソフト「マインクラフト(マイクラ)」を活用し、地域の水害リスクを学ぶ防災教育ツールを開発した。3次元の仮想空間に実際の街並みを再現し、災害の危険度をリアルに体感できる。盛岡市の小学校でツールを使って授業も行い、児童に好評だったという。
防災教育ツール「キッズ向けさいがいマップ」は、ブロックで建物などを造って遊ぶマイクラ、自治体の浸水想定区域図、デジタル空間で街並みを立体的に再現する「3D都市データ」を組み合わて制作した。
実際にある建物がマイクラのブロックで画面に表示され、ゲーム同様に街を探索することができる。浸水区域は青色で示され、地域のどこに水害の危険があるかが一目で分かる。
17日は岩手県盛岡市の中野小で授業があった。児童は小野さんの指示に従ってマウスやキーボードを動かし、仮想空間を探索。水害時、近隣の学校やスーパーがどれほど浸水するのか学んだ。
6年生の阿部日向子さん(11)は「建物が立体なので分かりやすい。神子田朝市周辺が浸水するということを知れた」と話した。
小野さんは東北工大講師になる前、東京の建設コンサルタント会社で、宮城県や徳島県の洪水浸水想定区域図の作成に携わった。地域の浸水リスクを子どもに分かりやすく伝えたいと思うようになり、人気のマイクラ活用を思い付いた。研究室の学生と共に盛岡市のほか、仙台市や郡山市など約50カ所分を制作した。
来年1月には仙台市の小学校でも授業がある。小野さんは「操作を楽しみながら危険度を学んでほしい。今後は津波や土砂災害などを想定したバージョンも作っていきたい」と語る。
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