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万灯練り歩き4年ぶり 「お会式」にぎわう 石巻・久円寺

4年ぶりに万灯が寺周辺を練り歩いた

 石巻市千石町の久円寺で23日、日蓮聖人の法要「お会(え)式」があった。「おめご」の愛称で地域住民らに親しまれる恒例行事。今年は寺周辺で夜に実施していた万灯の練り歩きが4年ぶりに再開されるなど、新型コロナウイルス禍前の姿に戻りつつあり、家族の健康や子どもの成長、五穀豊穣(ほうじょう)、学業成就などを願う人たちでにぎわった。

 祭りに花を添える万灯練り供養は、午後5時過ぎにスタート。宝塔を造花で飾った高さ約4メートルの万灯のほか、檀家らが太鼓やかねに合わせ、まといを振りながら近くのコンビニから寺までの約50メートルを練り歩いた。

 のぼりやちょうちんが並んだ境内では、かがり火がたかれ、参拝客が相次いで手を合わせた。

 同市住吉町1丁目の小野泰佑さん(94)は「ここ数年は万灯の幻想的な光が見られず、寂しい気持ちがあった。久しぶりに見ることができて良かった」と喜んだ。

 お会式は今年で742回目。コロナ禍の間は夜の練り歩きを中止し、檀家らが日中に境内でまといを振る形にしていた。

 谷川海正住職(52)は「地域に残る大切な行事で楽しみにしている人が多い。本来なら2日間の日程で縁起餅の振る舞いもしていた。絶やさずに続け、いつか本来の姿で実施できたらいい」と願った。

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